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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 紅花と光空 [02(途)up] ( No.19 )
- 日時: 2010/03/31 15:12
- 名前: 迷鎖 ◆eVKFdGz9q2 (ID: xYJBB/ey)
「蒼真、もう帰らない?」
「嫌だよォ? 千紅とずぅっと居たいの、僕は」
「じゃあその子、家に連れてこようか?」
ゲーマーさんが、蒼霧に声を掛ける。どうやら、蒼真と言う名前だそうだ。蒼真は、私を抱き締めたままでゲーマーさんに言う。すると、私をゲーマーさんの家にお呼びすると言う話が持ち上がった。
蒼真の返事は、
「無論おっけい!」
それを聞いていた蝶子も、納得し、結局ゲーマーさんの家にお邪魔する事になった。
とりあえず、ゲーマーさんの家にお邪魔する前に、中止していたゲーム選びを開始し、ゲーマーさんと空牙の助言により前作のRPGゲームを買う事になった。
——二千円を失ったが、まだ安い方であろう。
街中を、賑やかな街中を、ゲーマーにしか見えないジャージ姿の女性、チビ共が三人、少しお洒落した世間では草食系と呼ばれる男性がたった一人、合計五人で歩いている。兄弟と思われても可笑しくは無い人数。
そしてチビ共の中に私が入ってるのが悲しい事実。
「……ねえ、君達名前何? ちなみに私は宮城零って言うのよ。このちっさい子は蒼真」
重い空気。そんな沈黙の中皆で歩いていると、沈黙を切り開いたのはゲーマーさん。兼、宮城零と言う人。零さんは私達に名前を問うた。
「わ——」
「おお、名前か。私は蝶子と申す。この女は千紅、この男は空牙と申すぞ」
私は口を開き、“私は”のわを口にした時に蝶子が全て、滑らかに言ってしまった。私の名前も、空牙の名前も。ちくしょー喋る事がなくなってしまった。
その後も沈黙したまま零さんの家に着くまで歩いた。
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