ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 私と船と大空と〜1-壱UP ( No.4 )
- 日時: 2010/05/03 18:47
- 名前: myself ◆IES8JQTB.6 (ID: KTH/C8PK)
1-弐
「はぁ!?」
ラウンジに集まったノーアナザー号の面々はそんな言葉を言った。
「はいはい!ミイちゃん!」
艦長こと鈴見之ヶ原 魅糸(スズミノガハラ ミイト)は威勢よく手を上げた10歳ぐらいの少女に人差し指をさす。
「今の話からしてミイちゃんはとってもガッカリしてるんだね!!」
「そのとぉり!!」
少女——白河キサネはまたこんな事を言い出す。
「それでその、そこはすごく寒いわけだから本来のメンバーであったミイちゃんと副艦長は行きたくないわけだ!!」
キサネは親指を出して言った。
その様子を隣で見ていた少年——白河キヨスは小さくツッコム。
「別に副艦長は行きたくないとは言ってないよ、キサネ」
「おぉ、そうだったそうだった!」
このテンションについていけず、他の乗組員は黙って事を見ている。
「それでそれで、ミイちゃんの変わりに誰が行くの?」
キサネは軽く首を傾げる。
すると魅糸は腕を組み、考える素振りをする。
「そうねぇ、シラカワーズと生川君は舵の操縦があるし、久美ちゃん達は武器の管理を怠るわけにはいかなし……」
すると、キサネも一緒になって言う。
「じゃあ、やっぱりミイちゃんが行くの?」
「そうだな〜」
そこまで考えて魅糸は先ほどの艦長室での出来事を思い出す。
「ねぇ、みーやん」
魅糸は隣に控える宮火に言う。
「戦闘班の遭難訓練ってまだだったよね……?」
薄気味な顔をしながら言う艦長を黙って見ていた宮火と悠里は同じことを考える。
(あぁ、絶対班内から誰か行かせるんだ)
確かに二人の考える事は合っていたのだが、一つ付け加えるなら——
*
「なんで、俺なんですか!?」
現在悠里は自室で準備をしていた。
「いいから黙って用意しろ」
副艦長であり戦闘班の班長である宮火はドアの外で待機している。
さすがに女の部屋をのぞくわけにはいかない。
「今思ったんですけど、やっぱり寒いんですかね」
悠里は喋りながらも、手を動かす。
「てか、銃は何丁持っていきます?」
「口ではなく手を動かせ」
宮火は軽く呆れながらそう言うと悠里の質問に答える。
「まぁ八月だしな、そこまで寒くないかもしれないが、何が起こるかわからん状態だ。防寒はしとけ」
そして付け足すように言う。
「……銃は0だ」
その言葉を聞き、悠里は手元にあった銃をフムフムと頷き手に取ると腰にある隠しホルダーに入れる。
(護身用ぐらいには持っていくか……)
「あ、後はターゲットの名前ぐらいは教えてもらってもいいですか?」
「手を動かせ」
「動かしてます」
悠里は即答し、ナイフや手榴弾を身に付けていく。
宮火は少し黙り、沈黙が続く。
まるでそれが意味を持つように。
「聞いて、悔いはないのか?」
「何です?その名前を聞いたり、言っちゃったりすると死ぬんですか?」
悠里は軽く笑う。
「別に死にはしないが……」
宮火はあまり言いたくなさそうに言う。
「名前は手見、手見アズサだ」
その名前を聞き、悠里は少し顔を歪ませて立ち上がり、ドアを開ける。
「そりゃ聞かなきゃよかった」
-コラムⅢ
▼ノーアナザー号
公認艦船であり、艦長、副艦長が共に指令省の構成員である。
ノーアナザーは5つの班に分けられ、その班を紹介しよう。
戦闘班——主に戦闘に特化している。班長は鬼火師宮火。
栄養管理班——乗り組み員全員の栄養管理をしていて、料理を作ることが多い。
(零里はこの班所属)
武器管理班——艦内にある武器の管理と手入れを行っている。
(久美はこの班所属)
清掃班——艦内の掃除が主。一番人数が多い。
雑用係——その他、すべて。本当に雑用ばかり。
◆作者の独り言
これから塾だ……
めんどくさいね〜^^
まぁ、頑張りまっすww
というただの作者の独り言
さて、次回はいつ更新できるかな〜^^
それではまたぁ