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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 妖怪百物語 ( No.5 )
- 日時: 2010/03/14 14:54
- 名前: 邪狼 ◆XRTr.Bg.qw (ID: 5xRuHQIJ)
第二幕 二口女が生まれたわけ
あるところに女の人がいた。
女の人のお腹の中には小さな命が宿っていた。
しかし女の人は貧しく、赤ちゃんを育てる余裕などなかった。
赤ちゃんが生まれた。
しかし育てることはできない。
女の人は生まれたばかりの赤ちゃんを捨ててしまった。
赤ちゃんは寒さや飢えで死んでしまった。
数日後、女の人は激しい頭痛にあった。
そして幻聴が聞こえるようになった。
『ひどいよぅ……ひどいよぅ……』
飢えで苦しんで死んだ赤ちゃんの霊の声だ。
女の人は苦しんだ。
頭痛が激しく、頭を抱え込んだときあるものが手についた。
頭に後ろ。そこに、
口があったのだ。
声もそこから聞こえてくる。
『なんで……育てて…くれなかったんだ……』
いつまでもいつまでも言い続けるもう一つの口。
口が喋るたびに頭に酷い激痛が走る。
『酷いよぅ……僕は…ちゃんと生まれたのに……』
唯一口が黙るのが何かを食べてるときだった。
女の人は休まずずっともう一つの口に食べ物を与えているという。
今でも……ずっとね……。
〜後書き〜
二口女さん知っている人いますかね?
僕は小さい頃やった双六でかなり出てきた、思い出深い妖怪さんです。
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