ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: ノストラダムス! ( No.112 )
- 日時: 2010/12/26 09:28
- 名前: ソフィア ◆fwGIPea7qU (ID: nWEjYf1F)
第十一話
「あ、じゃ、じゃあ! 僕、これから夕飯の買出し行かなくちゃいけないんで、このくらいで失礼します! 秋先輩に宜しくお伝えください!」
兼次は苦笑いしながら、その場を離れていく。
それに対して加奈子はにこやかに手を振り
「はーい。また学校でね」
そう言うと、彼女はため息をついた。
「……はぁ……まだ会ってないのかー……アイツの事だから、もう接触ぐらいはしてると思ったのになー……」
渡辺加奈子は、兼次が完全にいなくなったのを見計らってから、小声で呟いた。
「……亮輔の役立たず。自分の立場分かってんのかよ」
チッ、と舌打ちすると、彼女は胸ポケットから携帯電話を取り出し、何かを打ち込んだかと思うと——クルリと向きを変え、連と秋のいるスターガックスへと歩んでいった。
しかし、もうスターガックスには、彼らの姿は無かったのだが。
*
二人はスターガックスから出て、横断歩道の前で止まっていた。信号は赤。
「あ、じゃあ、俺、これ渡って左のほうが家なんで帰りますわ」
そう言って左側を指差す連。
「あっそ。さっさと帰れ。わたしはちょっとその辺りブラブラしとく」
秋はそう言うとサッサと歩いていく。
「あ、先輩! 変人には気をつけてくださいね?」
秋より若干背の低い連は、上目遣いで言う。
「お前が言うな」
「て、手厳しいなぁ」
連は苦笑すると、信号機に目を移した。青。渡る。
するとその時。
「あ、荒川くん……ですよね?」
「……なんでここにいるんだよ」
向こう側から歩いてきた少女——彼女は、何を隠そうノストラダムスこと富山撫子、その人であった。
「あ、え、えっと、二年振り……でしたっけ。大きくなりましたね」
「ううん、五年振りだから。相変わらず、未来のことは分かるのに、過ぎ去ったことは空っきしだな。さすがノストラダムス」
笑いながら皮肉を言う連。しかし撫子は
「そうですね」
と真顔で返した。こう来られては、流石の連も困ってしまう。
なんとか話題を探そうと声をもらす連。
「え、えっと」
「……」
撫子は無表情。
「て、天気がいいね……」
「そうですね」
またもや真顔で答えられる。
「……もう! マジで何なんだよお前! 何しにきたんだ!?」
そろそろ限界が来て、頭に血が上る連。大声を張り上げて撫子に抗議した。
それを聞いた撫子は、一瞬驚いたような顔をしたが、すぐに冷静さを取り戻し、連の質問に受け答えた。
「いえ、ただの買い物ですけど……わたしが買い物してはいけませんか?」
ブチン、と、何かが切れる音がした。
「おまっ……!! そういうことを言ってるんじゃないだろ、気づけよバカ!! なんでお前……学校来ないんだよ!!」
「……あ、ごめんなさい」
ようやく連の言わんとしている事を理解したのか、撫子は深々と頭を下げた。
:後書き:
今回切れ所が微妙だすね。でもわたしの右手が悲鳴を上げたのでもうここへんでいいんですよへへ。
そろそろ撫子ちゃんのこと色々と書かなきゃいけないなぁとか友人にほざいているんですけど、わたしの右手がry
とりあえず今回はここまでにします。
それではまた!