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Re: 白銀の少女 ( No.108 )
日時: 2010/04/17 21:44
名前: 羽鳥 (ID: FjkXaC4l)

最終章 永遠となれ、白銀の少女。

───ッ?!

がばあっと、わたしは起き上がった。
汗をかいている。 息が切れている。

あれ、わたし……?

たしか、木下魄の生き様を見ていたはず。
それも、グラウンドで。

なのに、自分の家の、自分の部屋の、ベッドにいる。
何だ、どういうことだ??

とにかく、仕度をして学校へ向かった。

◇   ◇   ◇

「おはよう、百合」

教室に入ると、親友である佐倉琴葉がいた。
今朝は十夜と一緒じゃなかったから、十夜ファンはいない。

琴葉の顔が、巫女の初音を重なる。
───考えないでおこう。

「うん、おはよう」

「それで、百合はどう思った?」

何のことを、言っているんだ?

「何を?」

「木下ハクのこと☆」

「はああああ?! どうして琴葉がッ」

無邪気に笑う、琴葉。

「私は偉大なる巫女の生まれ変わりだぜ?
 この姿では初めてだな、魄?」

「ななななななッ?!」

(まったく、今まで黙っていたな初音!)

少しだけ懐かしい、木下魄の声が響く。

「勿論、いつになったら魄は気づくかと」

(それでワザと、わたしの生き様を見せたワケですね)

「正解だ、魄」

何じゃこりゃー。
どういうことじゃー。

琴葉は今まで、黙っていたっていうことになるんでしょ?!

「琴葉っ、今まで黙っていたんでしょう」

「えへへ、いつになったら気づくかなあ、なんて」

『巫女さんも、よくやるよなあ』

いつの間にか、双子の黄金狐もいた。
えええ、何ですかこれ。

『あ、エンジュは静養中だから』

「あ、そうなんだ……」

「私は蒼のもとへ、行きたいなあ♪」

「ちょっ、琴葉?!」

「違う、今は初音だ」

「分からないよーッ」

バタバタと駆け出す、琴葉(初音さん?)。