ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 白銀の少女 ( No.11 )
日時: 2010/03/20 19:31
名前: 羽鳥 (ID: afFDOS/q)

「さあ、百合! 双子転校生を見に行くわよっ」

「ちょ?! ちょっと、琴葉!」

ずるずると、琴葉に腕を引っ張られて行くわたし。
あっという間に、一年生の教室の前だ。
───突然三年生が来たら、驚くだろうに。

「あっ、いたいた! あれが双子の転校生だよ!」

琴葉が指をさして、嬉しそうに言った。
まったく、人を指さすんじゃありませんって言われなかったのか。

見ると、そこは一年二組。
何人か、二年生と三年生もいた。

たくさんの人ごみの中、中心に二つの人影。

あれが、双子の転校生ね? どんな子たちなんだろう?

最初は興味なかったけど、なんか気になってきた。
視力は良い方だから、ちゃんと見えるだろう。

そして、やっと見えた。 双子の転校生、が。

「え、あれ大丈夫なの? 髪の毛っ」
「百合、言わなかったっけ? ハーフなんだって☆」

なんだ、ハーフか。

その双子の髪は、金髪だった。

女の子の方は、腰までありそうな金髪。
男の子の方は、十夜みたいにクセのついた金髪。

そして、二人の瞳はルビーのように紅かった。

あれ、本当にハーフなんだろうか。

・・・・・・って、わたしも薄紫じゃん。

「すごいねぇ、百合。 双子、初めて見た」
「うん、そうだね琴葉。 わたしも初めて───」

見たよ、と言おうとした。

でも、言えなかった。

だって噂の双子は、まっすぐにわたしを見ていたから。
ルビーの瞳が、わたしだけを見つめていた。