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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 白銀の少女 ( No.12 )
- 日時: 2010/03/20 19:49
- 名前: 羽鳥 (ID: afFDOS/q)
ああああ、知っている。 知っている!!
わたしはこの双子を知っている。 知っているよ?!
「どうしてお前たちがいるのです。
**や***に怒られますよ、ていうか、怒りますよ。
そう呼ぶんじゃ、ありません。
今夜は満月だから駄目なんだって。 分かった?」
頭の中で、がんがんと知らない人の声が響く。
あああ、やめてやめてやめて。
「えぇ、だってぼくたち暇だもん。
怒ったって、怖くないもん。 **さんは怖いけど。
ねえねえ**さんっ。
今夜は満月だねぇ、マンゲツ。」
次もまた、違う人の声が響く。
わたしはこの双子を知っている!!!
じゃあ誰だって言うんだ?!
知らない知らない知らない知らない知らない!!!
「───り、・・・・ゅり! 百合?!」
耳元で、琴葉の声がした。
気がつくと、わたしは汗をかいていた。
琴葉が心配そうな表情をして、わたしを見つめている。
「は・・・・・・っ、琴葉。 どうしたの?」
「それは私の台詞だよ?! 大丈夫?!」
もう一度、ちらりと双子を見る。
───あの双子は、クラスメイトたちと楽しげに会話をしていた。
「ごめんね、琴葉。 ちょっと手洗ってくる」
そう言い残して、わたしはトイレへ行った。
ばたん、と少し乱暴にトイレのドアを開いた。
それから鏡の前に立ち、自分の顔色を見ようとした。
「・・・・・・・・・ッ?!」
鏡にうつる自分を見て、叫びそうになった。
わたしは、薄紫の瞳。
なのに、なのに。 なぜか完全な紫になっていた!
どういう、こと。
何故こんな濃い紫に?! 薄紫じゃなかったのか?!
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