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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 白銀の少女 ( No.15 )
- 日時: 2010/03/21 14:30
- 名前: 羽鳥 (ID: mM51WarG)
ぐらり、と体が傾く。 倒れそうになる。
でも、ここがトイレだということを思い出し、ぐっと我慢する。
───トイレで倒れるなんて、絶対に嫌だもん!
だが、だんだんとそれは無理だということが分かってきた。
ゆっくりと、体は傾いていく。 あぁ、倒れたくない。
「───大丈夫、大丈夫。 そのまま、ゆっくり目を閉じて」
突然、わたしの背後から誰かの声がした。
鏡越しに見ようと思ったが、見れなかった。
「驚いちゃったよねぇ、うん。 ごめんねぇ?」
そう言う、誰か。
そして、わたしの額にはひんやりとした人の手がある。
もう、誰でもいいや。 楽になりたいし・・・・・・。
◇ ◇ ◇
「ねぇ、鬼さん。 やっぱり覚えていたのね?」
あたしは鬼さんを担ぎながら、屋上へ向かう。
「大丈夫? ぼくが運ぼうか、弥生?」
「ううん、大丈夫だよ疾風。 人間じゃないんだから
」
「はははは、そうだったね」
あたしと疾風は、屋上に向かう。
◇ ◇ ◇
今夜は満月だから、**も一緒。 分かってるよな?
・・・・・・今夜も、行くの? ねぇ、死なないでね。
俺がお前を護るんだよッ! だから、どうか───!
きひひひ、ひゃはははははっ! 満月さ!
お前はこっちに来た方がいい。 無理しないですむ。
うわああああああああああああああああああああああああああッ!
鬼が来る、鬼だ! 鬼だ、鬼だ! 逃げろ、殺される!!
さあ、止まりなさい。 思い出してごらん、自分を。
◇ ◇ ◇
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