ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 白銀の少女 ( No.22 )
日時: 2010/03/24 17:06
名前: 羽鳥 (ID: uqhwXtKf)

それより、どうしてわたしは屋上にいるのだろう?

「あの、弥生ちゃん? 疾風くん?
 どうしてわたしは、屋上にいるの・・・・・・?」

弥生ちゃんの真っ赤な瞳を見つめながら、わたしは問う。
───弥生ちゃんは、紅い瞳を薄っすらと細め、

「あたしと疾風が、運んだの」
「そうなの? でも、どうして屋上に?」
「ここなら、あまり人間は来ないでしょう?」

不気味に、双子は笑った。 ギンギンと、光る瞳も笑う。

なんだ、この双子。 おかしいよね?
・・・・・・本当に、ハーフの人間なんだろうかっ?!

「君も人間じゃないくせに、ね。 魄?」
「ハ・・・ク・・・? 誰のこと、それ」

「君しかいないじゃん! 園原百合になった、魄!」

何これ。
どういう意味だ。
訳が分からない。

この双子は何者なんだ。
人間か。 ハーフか。


次の瞬間、ぶわっと金色の毛が舞ったような光景が、目の前にあらわれた。
ひらひら、きらきらと金色の毛が、舞っているような光景。

「───ッ?!」

『これでも思い出せないの?! 魄さん、ハクさんッ?!』

目の前には、狐がいた。
それも、大きく、黄金の美しい狐が。 二匹。
そして、紅い瞳!

「何なの?!」

もしかして、この狐たちは、

「弥生ちゃんと、疾風くんなの?!」

わたしは、大きな声で叫んだ。