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Re: 白銀の少女 ( No.33 )
日時: 2010/03/26 21:22
名前: 羽鳥 (ID: LF8j4K3p)

第二章 鬼狩りをする、鬼がいた。


「やっぱり貴方たちは、何者なの」

わたしは虚ろな目をした十夜を抱えながら、問う。
黄金の狐と、少女の姿で狐の耳と尻尾を晒す者たちに。

もう、部屋に桜は舞っていなかった。
残っているのは、月明かりだけ。

『双子の黄金狐であるあたしの名は、弥生』
『そして同じく、双子の黄金狐であるぼくの名は、疾風』

それから、双子は声を揃えて言う。

『百年以上生きる、黄金の狐』

ひゅうと、冷たい風が吹き込んだ。 でも、そんなこと気にしない。
今は、この双子狐だけ。

「それで、貴方たちは何をしにわたしの元へ?」

『─────今から、百年くらい前。 江戸時代だった───』

弥生ちゃんは、遠くを見ながら語る。