ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 白銀の少女 ( No.43 )
日時: 2010/03/29 21:36
名前: 羽鳥 (ID: w/bUrDOd)

江戸時代くらいなら、妖怪はいてもおかしくはない。
でも、今は平成。 おかしいよね?
ていうか、ありえないじゃん。

ということで、わたしは幻でも見ていたのだ。

「起きやがれ、このガキィイ!」

突然、耳元でばかデカイ声がした。

「誰がガキですってぇ?! 声デカイし!」

もそもそと、わたしは起き上がる。
……時計を見ると、わたしにしては珍しい、早起きだった。

燃えるような瞳をした十夜が、わたしを睨んでいた。
───虚ろな瞳じゃなく、ちゃんとした瞳で。

「なんで窓ガラスが割れてるんだよ?!」
「は」

見ると、確かに割れていた。 粉々に。
───紅い着物の、女の人が割った。

でも、それはわたしの幻だったんだ。

「は、じゃなくて!」
「わたしが昨日、割っちゃったの。 誤ってね」

スラスラと、わたしは嘘をつく。

「お前が?! ……ば、ばっかじゃねえの」

言われると思っていたが、言われると腹が立った。

「ええ、馬鹿で結構! はやく朝ごはん作ってよ!」
「何で俺が作るんだよ───ッ!!」

いつもの、朝でした。