ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 白銀の少女 ( No.44 )
日時: 2010/03/29 21:48
名前: 羽鳥 (ID: w/bUrDOd)

「おはよー、百合。 今日も北條先輩と登校?」

教室に入ると、いつものように女子軍団に出会い。
それからニコニコ笑う、親友のもとへ行く。
佐倉琴葉は、笑う。

「おはよ、琴葉。 なんか、いいことでもあったの?」
「ん? どうして、百合?」
「だって、いつも以上に笑ってるし……」

その瞬間、琴葉の笑顔が更に笑顔になった。
花が咲いても、おかしくない。

「今日ね、私たちのクラスに転校生が来るの!」

───転校生。
一瞬、弥生ちゃんと疾風くんのことが思い浮かんだ。
すぐにその二人のことを、考えないようにする。

わたしたちのクラスに、転校生でしょう?

「へえ、女子? 男子?」

「可憐な女子だよ───ん♪」
琴葉が言う。
へえ、女子なんだ。 どんな子が来るのかな。

先生が教室に入ってきた。
わたしたちは、急いで席に座る。

「今日は転校生が来るぞぉ。 はい、どうぞ」

そんな担任の軽いノリで、転校生は入ってきた。

その転校生は、琴葉の情報通り、女子だった。

クラスのみんなは、驚きの表情を見せる。 勿論、わたしも。
だって、その子の髪は────……、

「木下コハクです。 よろしくお願いします」

雪のように、真っ白だったから。