PR
ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 白銀の少女 ( No.46 )
- 日時: 2010/03/30 21:22
- 名前: 羽鳥 (ID: 9mWysg1X)
「……園原さん、ちょっと、いい?」
放課後。 突然、転校生の木下コハクちゃんにそう言われた。
コハクちゃんの白銀のような髪が、輝いていて眩しい。
わたしに、何の用だろう。
「? うん、いいよ」
「じゃあ、ちょっと来て……」
スタスタと歩くコハクちゃんの後を、急いで追いかける。
───あれ、もしかして屋上かな。
コハクちゃんの行く先は、きっと屋上だろう。
まあ、今なら誰もいない時間帯だろうね。
ギイ、と古い音がして屋上の扉が開かれる。
一気に涼しい風が、わたしとコハクちゃんを襲う。
とたたた。
コハクちゃんが小走りで、屋上の真ん中あたりまで駆ける。
そして、振り返る。
「コハクちゃん、わたしに何の用なの?」
無表情だったコハクちゃんは、可愛らしく笑う。
それから、制服のスカートのポケットからカッターを取り出す。
……カッターを、どうするつもり?!
ギラリ、と光るカッターの刃。
それは、コハクちゃんの白い指に落とされる。
つう、とコハクちゃんの人差し指から血が流れる。
「コハクちゃん……ッ?! 何をっ───!」
わたしはコハクちゃんの近くへ行く。
コハクちゃんは、ニイ、と笑う。
「ねえ、これは誰の血だと思う? 園原百合さん?」
PR