ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 白銀の少女 ( No.5 )
日時: 2010/03/17 19:38
名前: 羽鳥 (ID: CsDex7TB)

「着替えるときくらいっ、出て行きなさーい!!」

「お前の着替えなんか、誰が見るかっ!!」

バタンと、俺の後ろでドアが閉まる音がした。
・・・・・・朝から五月蝿いガキだ。
俺はやれやらと、ため息をついた。 

百合は一人で暮らしている。 親は、事故で亡くなったのだ。
だから俺がこうやって、朝に迎えに行ったりしている。
幼稚園の頃からの付き合いだしなぁ。

「ばかっ、立ってないで、朝ごはん作ってよ!!」
「はあ?! それくらい自分でやれッ」
「・・・・・・今日だけ! お願い、十夜!」

あー、
もう、
だからガキは、

「面倒くさい」
「人がこんなに頼んでいるのに、ひどいよ。 ばか十夜」
「朝飯くらい自分でやれ。 ほら、遅刻するだろ〜!」

俺は高校生、百合は中学生。
お互い学校は近いが、別ものなので遅刻は嫌だった。

それから三十分後くらいには、

「じゃあね、十夜」

学校の前で別々になった、俺と百合。

高校と中学校は、柵を挟んで隣。
グラウンドからは、中学校のグラウンドが見える。