ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 白銀の少女 ( No.68 )
日時: 2010/04/03 19:31
名前: 羽鳥 (ID: BlQGlUWP)

今夜も行くの? 
……ねぇ、死なないでね。

────大丈夫。 わたしは死なないよ。

おれが護るんだよっ!
おれが、弱いかもしれないけどッ!
絶対に護りたい存在なんだ!

───そういう台詞は、普通の子に言ってよ……!

うわあああああ、鬼だあああああッ!!


もうやめて────!!




「……ッ?!」
突然、わたしは目を覚ました。
変な夢をみた。 自分で汗をかいているのが分かる。
しかも、外は真っ暗だ。

「うわ……、三時だ……」
時計を見ると、午前三時。 起きるのには、とても早すぎる。

昨日は色々なことがありすぎて、変な夢を見たんだろう。
考えすぎだ……。 そう、考えすぎ。

もう一回寝ようと、目を閉じた。


『……園原さん……。 園原さん…!』
耳元で、弱弱しい声がする。
ついでに、人じゃないような気がする。

ゆっくりと起き上がり、確認しようとした。

「………なッ、コハクちゃん?!」
『エンジュよ。 エンジュ!』

肩のあたりまであったはずの白銀の髪が、腰まで伸びていた。
普通だった瞳の色は、檸檬のような黄色になっている。
そして、頭からは二つの角。

「エンジュちゃん、なの……?」
『えぇ、そうよ。 エンジュ。 半分鬼になっただけ』
「本当に鬼なんだね……っ」
『言ったでしょう、鬼だって』

呆れたように、エンジュちゃんは言う。

次の瞬間、エンジュちゃんはニヤリと笑った。

『ほら、あんたも紫になったよ』
「え……?」
『鬼を見たり、妖怪を見たり、満月を見たりすると紫になるみたいだね』

へえ、そうなんだあ……。

「って、それより! どうしてわたしの家にいるの?!」

『鬼が出ました。 至急鬼狩りをして下さい。 by弥生と疾風』

はあああ?!