ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 白銀の少女 ( No.86 )
日時: 2010/04/07 20:43
名前: 羽鳥 (ID: g8t52Hd5)

第四章 守りたいと、想った。 護りたいと、祈った。

輝く太陽が、わたしの白銀の髪をてらす。
ああ、もう。 初音はどこに行ったのだろうか。
わたしは屋敷中を捜しまくった。

「おっ、魄!」
「……ッ、蒼! 驚いたわ……」

へへ、と子供っぽい笑顔で蒼は笑った。
───護らなくちゃ。 護らなくては。
ふと、わたしはそう想ったのでした。

◇   ◇   ◇

わたしは学校を休んだ。
体中が筋肉痛だし、結局寝たのは朝の六時だったから。
珍しく十夜が来なかったので、簡単にメールをしておいた。
『今日、休むね(><)』。

返信は来なかった。


(やっぱり、疲れたんでしょう?)

頭に、木下魄の声が響いた。

「うん、体中が痛いよぉ。 鬼ってすごいんだね」
(そうなのでしょうか……)
「今の時代なら、すごいと思うんだよ♪」

ベッドに立てかけてある、鬼刀・桜花を見ながら言う。
何故か十夜(蒼?)が持ってきたんだよね。
どこから持ってきたんだろう……?

〜♪

部屋に響く、携帯の着信音。

「十夜かな……っ?」
かぱ、と携帯を開き受信ボックスを確認する。
やっぱり、十夜からだった。

『了解した(^0^ゞ
 体調でも悪いのか?
 そうなら、ゆっくり休むんだぞ。』

十夜はたまに、顔文字を使う。
───心配してくれてるのかな。 ……そ、そうだよねっ?!
自分で顔が赤くなっていくのが分かって、恥ずかしい。

「そういえば、十夜は蒼さんとの接触はあるのかな?」
(十夜とは、蒼の生まれ変わりの少年ですね?)
「うん」
(うーん。 あると思います。 でないと、ああやって体をかしません)

お、待てよ?

「でも貴方は、一回だけわたしの体を無断で使ったよね?」

そう、たしか……。
コハクちゃんが、血を流したとき。

(あぁ、あれですか?)

少し笑いながら、木下魄は言う。

(あのエンジュという鬼は、わたしの血を流していますね?
 それを初めて見た瞬間、勝手にわたしが出ちゃったんです)

「ふ〜ん」

えへへ、と木下魄は笑った。

とりあえず、十夜に返さなくては! メールを!

『うん、ありがとう♪
 今日はゆっくり休むね(><)
 また明日(T∇T)ノ~~』

送信、と。