ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 白銀の少女 ( No.90 )
日時: 2010/04/08 21:05
名前: 羽鳥 (ID: R1Rd.hdi)

ギロッ、と黄色の瞳がわたしを睨む。 
半鬼化したエンジュちゃんが、どうして……?!
チッとエンジュちゃんは舌打をする。

(エンジュちゃんなんでしょおっ?!)
『そうなんでしょうがね、よく分かりませんね……』

言い終わった瞬間、エンジュちゃんは攻撃をしてきた。
真正面から長い鬼の爪での攻撃。

『は……っ』
ひょい、と舞うように高く跳ぶ。 校舎と同じ高さ。
するとエンジュちゃんも、わたしの所まで跳んできた。
しかも、すごく速いスピードで!

(なっ?!)
『なッ……』

目の前でエンジュちゃんを確認した瞬間────、

ドサッ!

いつの間にか、わたしはグラウンドに倒れていた。

『どういうことでしょう……?
 何故、あんなに強くなっているのでしょうかっ』

ペッと血をはく。

(いや、その前に! どうしてエンジュちゃんが?!)
『まったく分からないですね……』

トンッとエンジュちゃんが目の前に、着地する。
ニヤアと不気味に笑う。 
こんなの、エンジュちゃんじゃない……っ!

しね、とエンジュちゃんの口が動く。
高く振り上げられる、半鬼化した右腕。

(魄……っ!)

『大丈夫です』

鬼刀、桜花でゆっくりとエンジュちゃんの右腕を受け止める。
そして、ふうっと軽く息を吐いた。

(……?)

かくんと力なく倒れる、エンジュちゃん。

(死んじゃったの?!)
『まさか。 気を失っただけですよ』

哀しげに、わたしの前世である人は言うのだった。