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Re: 白銀の少女 ( No.96 )
日時: 2010/04/14 22:15
名前: 羽鳥 (ID: 0VC4e9y5)

第五章 廻る時間と巡る運命


【思い出して御覧なさい、貴方の生きた時代を】

ぐい、と重力に逆らう。
ぐいい、と何かに引きつけられる。
ぐいいい、と思考回路が止まっていく。

何も≪考えられナ≫い。
一体何が<起こってイるの>か。

わたしには【理】解でき【ナイ】。

「魄さん……ッ?!」

弥生ちゃんの掛け声で、わたしは目を覚ます。
───今、何があったの?

見れば、エンジュちゃんが左腕を掴んでいた。
ガッチリと、離れないように。

ギラギラと金色の瞳で、見つめていた。

『これ、は……、駄目、です……』

かくん、とわたしの体は跪く姿になった。

(なッ、どういうこと?! ハクッ!)
『わたしにも、分からナ……』

するすると、白銀だった髪は茶髪に戻った。
たぶん、瞳も薄紫に。

わたしは、わたしになったのだ。

「弥生ちゃんッ、木下魄はどうなったのッ?!」

「あたしにも分からないよッ」

次の瞬間、目の前が真っ暗になった。