ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- 夜空と僕 ( No.10 )
- 日時: 2010/04/25 13:15
- 名前: 修羅人 (ID: JgiXnGnD)
『僕を君の中に入れて。』
初めてあなたに会ったとき、僕は妖精かと思った。
だけど、それは幼すぎた僕の間違いだった。
あなたは、どんな者より恐ろしい、悪魔だった。
朝起きると、僕は毎日のように、時計を止める。
その後、歯磨きをして朝ごはんを食べる。
学校に行って、帰って、塾に行く。
毎日・・・毎日・・・
同じ事の繰り返しのようだった。
退屈な毎日。早く逃げ出したいって思う。
そんなある日、まず僕の運命を変える最初の
間違った歯車が動き出す。
僕の親は帰りが遅いため、その夜は家に僕一人だった。
テレビを見て、本を読んで、ご飯を食べたり。
そんな、極々普通の事をしていた。
いつものように。
『ピーンポーン』
家のインターホンが鳴った。
ソファで眠りかけていた僕は、少し驚いて出て行った。
「はーい。」
と・・・出てみたが誰も居ない。
両親が帰って来るまで、まだ一時間以上ある。
玄関の時計を見ながら、はぁと短い溜息をついた。
リビングに戻ろうとしたとき、
『ピーンポーン』
(あれ?おかしいな。)
僕は玄関に居て、扉は開いている。
外には誰も居ない。
『ピーンポーン』
「えっ!?」
三度目のインターホンが鳴ったとき、急に強い風が吹いた。砂埃か何か混ざっていたらしく、目が痛くて開かない。
「なっ・・・ぁ・・・」
少し怖くなって、手探りで扉を閉めた。
ガチャ。
扉が閉まったとき、何かが僕の後ろに居た。
正確には、見えないが気配がする。
やっと目が開いたとき、ゆっくりと僕は振り向いた。
そこには、黒いスーツを着て、にっこりと笑う男が居た。釣り目で、顔色が良くない。
身長は180くらいだろう。
訳の分からない光景に、僕は男を暫く眺めた。
「貴方が、青樹様ですか?」
僕は確かに、青樹結羅。
だが、混乱して返事が出来ない。
「違うんですか?・・・まぁ良い。私には時間が無い のです。」
男はそう言うと、僕を担いだ。
「やぁ・・・止めろ!!」
僕は驚いて、暴れた。
すると、男がなにか耳元で呟いた。
「ぁ・・・っ!!」
一瞬のうちに、僕は眠ってしまった。
気が付くと、広くて綺麗な部屋に居た。
何だか、体が軽くて、頭がスッキリしている。
ゆっくりと体を起こす。
「・・・何処だ此処??」
訳の分からないまま、部屋の扉に近づいた。
ドアノブに手を掛けると、向こうから誰かがガチャっと開けた。驚いて一歩下がると、あの男が入ってきた。