ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

夜空と僕 ( No.5 )
日時: 2010/04/05 14:53
名前: 修羅人 (ID: JgiXnGnD)

僕が学校に行く事は、これから先あるのだろうか?





馬鹿馬鹿しい授業、二日目。_______



「此処からは、それぞれの能力について。」
流石に、二日目は飽きてきたのか竜切は、面倒くさそうだ。って言うか、たったの二日で飽きるのか?
まぁ、昔からそんな人だったと・・・思う。
付き添いの、執事的紳士・メイド・不思議系謎も
面倒くさそうだ。
僕は、暇なよりは良いと思う。出来だけ、集中しようと思う。
もしかすると・・・信じられないけど、僕はこの仕事を
する事になるかもしれないから。











青樹家の進化は知っている。
遺伝子的に、丈夫で才能に溢れるように、人を選んで
子供を作ってきたようで・・・
気が遠くなるような長い間。
少しづつ進化した。
その結果。
僕ら青樹家は、今に至ってこれだ・・・・・・・。
玉玄にすると、言葉で人の心身を操る。
竜切は、見た事は無いが、植物を一瞬に育てることが出来る。
僕は、身体能力・回復力・がかなりある。
だが、どの能力も必ず欠点があるのだ。
玉玄は、大声で何かを言うと仲間も、その能力に掛かってしまう。(聞こえてしまうから)
竜切は、種類によっては時間がかかってしまう。
僕は、まだ慣れていないため、自由には使えない。

この家の進化は、まだまだ続くそうだ。












話が終わった。
初めに比べると、無駄話は少なくなったので、思ったより早く終わった。
(まだ、12時にもなってないのか。)
部屋を出た。
僕は、お祖父ちゃんの部屋に向かって歩き出した。











「お祖父ちゃん・・・?」
呼びかけると、すぐに返事が来た。
「結羅か?」
部屋の整理をしながら、顔を上げたお祖父ちゃん。
手にいっぱい持っている本を、机の上に置きながら不思議そうに僕を見た。
「あのね、僕そろそろ学校に行かないと。」
驚いた顔をするお祖父ちゃん。
僕は、当たり前のことを言っただけなのに。
「そっ!!・・・・・そそそそそそ・・・・そんな。」
(お祖父ちゃん?!)
今にも泣きそうな様子の、お祖父ちゃん。
僕は慌てて、付け加えた。
「い、行けるなら?!・・・迷惑にならないなら。出来ればで良いからっ。・・・駄目?」
その言葉に、お祖父ちゃんは真面目な顔になった。
そして、椅子にゆっくりと腰を降ろした。
本が沢山乗っているのを、横に退かすと腕を組んだ。
重々しく口を開く。
「お前のためを思うなら、それは絶対に駄目じゃ。」
何で?と思ったが、あえて言わなかった。
「青樹家だと誰かに気づかれれば、お前の命が危ないのじゃ。表では、余り知られていないが、万が一がある。お前は、本家のたった一人の後継者なんじゃぞ。」
僕は、仕方ないと思い
「うん。分かった。気にしないでね。」
笑顔で言った。











お祖父ちゃんの部屋から出た。
暫く歩くと、曲がり角の向こう側に玉玄が居た。
「お話しても、宜しいですか?」
いつも、僕に話し掛ける時は、こんな風に丁寧な言葉遣いだ。
「うん。」











僕等は、今中庭に居る。
此処も凄く豪華だ。じっくり見るのは初めてで、よく見ると、見たことの無い花がある。
沢山の薔薇のアーチを潜ると、噴水があった。公園にあるような、大きなやつ。
女神の銅像、綺麗なベンチ、街中のようなレンガの道、広い花畑。
広い庭には、普通の家では見られないような物が沢山在った。
すぐ近くにあったベンチに、二人で腰掛けた。
そこで、暫くの沈黙。
先に口を開いたのは、玉玄だった。
「あの時は、申し訳ありませんでした。」
反省した顔で言われると、僕は落ち着かなかった。
「そんな、全然良いよ。僕も、その傷・・・ゴメン。」
玉玄は、僕のように凄い回復力は無い。肩には、ナイフが刺さった所に包帯が巻いてある。
僕は、一週間もしないうちに直ったのに。
「しかし、青木家の後継者様に私のような者が・・・」
「もういいよ。」
誤られるのは、好きじゃない。
僕は、玉玄を安心させるために笑った。
それから僕は、話を変えた。
「あのさ、何で玉玄は僕より強いのに、本家じゃないの?」
「?・・・そんなこと無いですよ。本質が引き出されれば、結羅様は私なんかより強いのです。」
「本質?」











青樹家は、分家が多い。
今は家によって、少しでも本家の役に立とうと子孫の
残し方なんてバラバラだ。
湖のように、メイドになる分家は、強さはほとんどない。ただ、幼いころから料理などを(家事)をやっていたそうだ。ようは、体力がある分家らしい。
玉玄は、仕事を手伝ったりする分家の子孫で強さが
他の分家に比べると高い。だが、本家に比べるとそれはまだ弱いらしい。
桔梗は・・・・・・余り知られていない分家で、何があるのかは、玉玄も知らないらしい。ただ、仕事の依頼を
僕等に知らせる役目だそうだ。(何処から仕事を貰うのかは、不明。)
竜切は、本家の血が一番多く流れている分家。
能力は、本家ほどではないが総合的に言えば分家の中では力が大きい。
そして僕。
本家の血は、まだ良く分かってないらしい。
分家には比べ物にならないほど、最強(?)
知られていない能力がある。











「あのさ、本家とか分家とか・・・どうやって区別するの?」
さっきの話に、本家分家の話が出てきたけど、よく分からなかった。
玉玄は、暫く考えてから話し出した。











本家の人間は、必ず青樹家の血を引く人間と結婚している。
(従兄弟とか、叔父さん・・・????)
簡単に言えば、分家の人間と子供を作る。
そして分家は、二代に一回青樹家の血を引く人間と、
子供を作る。
それは、遺伝子的に当たり前なのだそうだ。
青樹家の人間は、不思議と本家なら青樹家の血を継ぐ
人間に。分家なら、二代に一回青樹家の血を継ぐ人間に惹かれるそうだ。
決まりではなくて、それが自然な流れ。











話が終わった。竜切のように、無駄話が無かったから
話は簡単に、分かりやすく終わった。
(何だか僕の家って、凄くない?!)
薄々信じ始めた僕。
「結羅様は、勉強したいのですか?」
その言葉に、ドキッとした。
学校に行きたいとは言ったが、正直勉強は嫌いだ。
「そういう訳では・・・」
「私、結羅様のためなら何でもしますよ。勉強は、好きなので、お教えしましょうか?」
「ぇ・・・・」
ニコニコ笑顔・・・
こっ、断れない?!
「ぅん。」
(いつも暇だから、まぁいっか。)





続く