ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- 夜空と僕 ( No.8 )
- 日時: 2010/04/06 11:51
- 名前: 修羅人 (ID: JgiXnGnD)
「じゃあ、次は校庭30分間ジョグ。」
(はぁ!?この校庭、一周何mあると思って・・・)
流石陸上部。
僕の想像以上に、大変。
そして、薬らしき物を持っていたのが
金堂烈詩(kondouretusi)
坂爪慧翠(sakazumekeisui)
家島魁心(iezimakaisin)
の、三人。
まだ確定した訳では無いが、場合によっては直ぐに止めないと。
死に至ってからでは、遅い。
「おい!!雅人、ちゃんと走れよ。」
イキナリ怒鳴られた。
でも何か、聞き覚えの在る声。声のした方を振返ると、玉玄。
「あ、阿久根先輩・・・・・。」
(此処での名前は、阿久根翔。覚えなきゃ・・・今ちょっと危なかった。)
そう。今、僕は玉玄と言いそうになった。
そのまま走ろうと思ったら、腕を掴まれた。
「なっ!!は、何ですか??」
振返ると、玉玄は無表情で言った。
「体調が悪そうだな。こっち来い。」
(えぇ・・・何?急に。)
僕は腕を引かれ、校舎裏へ
「無理は辞めてください。」
さっきから、玉玄は僕の心配ばっかり。にしても、玉玄も陸上部・・・。
「玉玄も、陸上部だったんだ。」
「それはもぅ、心配ですから。当然です。それに、分家である私が、本家の結羅様の傍に居なくて、どうするんですか?!守るべき者は、結羅様。」
まぁ、家でするような会話。
僕にとっては普通でも、はたから見ると変だ。さて、部活に戻ろう。
校庭へ行こうとした時、僕等の後ろに俵藤が___。
不思議そうに僕等を見ている。
(ヤバイ・・・!!!!)
固まる僕等。
俵藤は何故か、目を輝かせながら近づいてくる。そして僕等の前へ・・・_____。
(こんな所見られたら、終わりだ。変人として皆に言われて、話すどころか、近付けなくなる。)
依頼が、青樹家始まって初、失敗。と思ったとき。
「雅人×翔。萌える。」
はい?何ですかそれ。
疑問に思っていると、俵藤がまた言った。
「受けは、雅人君だね。」
だから何?それ何??
玉玄が、思い出したように言った。
「はぁ、俺は腐じゃねぇ。女好きだ。」
「それは、残念です。でもお似合いですけどね。で、今の話、いったい・・・・・」
最後まで言い終わらないうちに、玉玄が俵藤の、耳元で囁いた。
『忘れなさい。そして、三分眠れ。』
俵藤は、直ぐにその場に倒れた。
「す、凄い。今の、玉玄の能力?!」
「お役に立てて、光栄です。」
照れながら、玉玄は笑った。
「で、俵藤が言ってたのって何?」
「腐女子ですね、俵藤さんは。腐女子とは、主に男性同士の恋愛を好む女性のことです。『雅人×翔』とはカップリング。受けとは、ヤる時攻められる側の事ですね。一緒に居る所が、絵になったのでしょう。」
かなり勉強になった・・・。
俵藤、まさかそんな奴だったなんて。僕は、寒気を覚えた。玉玄は、話が終わると俵藤を担いだ。
「何処に連れて行くんだ」
「?・・・・この女性も、陸上部ですよ。」
「へ??そぉなんだぁ。」
僕等は、部活へ戻った。
「雅人ォ〜、一緒に帰ろっ^^」
(ひょ、俵藤。)
僕は、正直嫌だったが仕方ない。OKした。
校門から出て、暫く歩いた。沈黙が破られ、俵藤が口を開いた。
「私、今日気絶してたんだ?助けてくれて有難ねっ。」
笑顔の俵藤、可愛い・・・?。僕は、自分でも顔が熱くなるのが分かった。
「俵藤さ、腐女子なの?」
「え!!!・・・そ、そんな事無いもん。/////////」
(はぁ。可愛い・・・かも。)
僕は、俵藤が苦手では無くなった。
「良いよ。僕、そうゆうの嫌いじゃないから。」
これが、仕事じゃなかったら、もっと仲良くなれただろう。
俵藤と別れて、暗い道を進む。この道は、通らなくても家に行けるが・・・
「さっきから、気付いてる。アンタ、一体何?」
僕は、振り向かないで問う。相手は、ため息をついた。
「お前、青樹か?」
(っ!!??何で知ってる)
僕は少し焦ったが、平然を装った。顔色が変わってなければ良いが。僕は、ゆっくりと振り向く。
そして、返事をした。
「いいや。ただの少年Yだね。」
はぁ。ため息が出る。本当は怖い。まだ本当にひよっこ。能力もまともに使えない。カッコつけて、俵藤と別れて戦う。ははっ。僕は、馬鹿だな。でも、本当にカッコ良い!!
飛び掛ってくる奴、僕を後ろから蹴る奴。悪いのは、ナイフだ。運よく交わせているが、いつまで続くか。
時間の問題だ。早く終われば、僕の勝ち。長く続けば、僕はぼろぼろになって、負け。
(やばっ)
僕の肩に、ナイフが突き刺される。流石に痛い。僕は、傷口を抑え、後ろへ下がる。
「ははっ、掛かったな。そこに行けば逃げ道は無いぞ。」
(殺されるのか?そんなの嫌だ。正々堂々戦って、生きるんだ。)
男の一人が、僕に向かってゆっくりと近づく。
『運が悪ィなァ〜。お前等、死ぬんだナ。俺に殺してもらえる事、アリガタアクオモエヨ?』
最強の僕、降臨_______。あの時と一緒。力が、漲る。軽く殴っても、相手が遠くまで飛ぶ!!
こんなの、ゲームの中でしか在り得ないのに。
男達は、情けなく逃げようとする。
『そうは、させるか。俺等の楽しいゲェムは、始まったばかりだろ?』
僕は、思いっきりジャンプした。
僕の体は、10m以上上へ上がった。そのまま、男達の前に先回りする。
僕は、男達に向かって意識を集中した。
____バチッ・・・バチバチッ_____
『俺ってもしかして、最強!』
地面に、電流が走る。感電した奴等は、その場に倒れた。
「死んでないよね?」
救急車の中で、僕は何度も玉玄に尋ねた。
「はい。一人も亡くなっておりません。」
この救急車は、青樹家の物だ。今回の喧嘩(?)は、誰にも知られなかった。倒れた人達は、僕らがこれから青樹家が経営する病院に極秘に運ぶ。
「にしても、凄いな結羅。」
「私、感動です。」
二人は、かなり興奮中。僕はまだ、混乱中。救急車が病院に着いた。病院には、お祖父ちゃんも、桔梗も湖もいた。外に出ると、お祖父ちゃんが走ってきた。
「大丈夫か?!結羅。」
気が気でないような顔。いつもの様に、優しそうに笑って欲しいけどな。
「うん。大丈夫だよ。」
病院の一室。僕は、腕の傷の治療をしているが、もう傷は塞がり始めていた。
「あの男は、一体何者なんですか?」
玉玄は、さっきからずっと僕の隣に居る。
お祖父ちゃんは、今はまだ分かっておらんと言った。
「とにかく、この事は誰にも知られないように。そして、見張りの奴等は一体何をしていたんだ?!」
「見張ってはいたが、助ける必要がないとの判断。」
「何を言っているのだ?!見張りはちゃんと助けろ!怪我がまだ軽いから良かった物の、命にかかわる大怪我だったらどうするんだ!!」
お祖父ちゃんは、怒っていたが、桔梗も顔色一つ変えずに、反論した。
「では、これから先結羅様が成長しんなくても良いとお思いですか?窮地に立ち、傷付いてこそ人は強くなるのです!!」
この事も、正しい。だが、少々の意見の違いは、あるものだろう。僕は、二人の話には入らなかった。