ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- 夜空と僕 ( No.9 )
- 日時: 2010/04/06 13:13
- 名前: 修羅人 (ID: JgiXnGnD)
居心地の悪い病室から出た。
夜の病院の廊下を向ける。暗いと、怖かったがあそこに居るよりはマシだ。
一階に下りると、中庭を目指す。
パタパタと、僕のスリッパの足音しか聞こえない。
中庭のベンチに座ると、息を思いっきり吐いた。
少しは、気持ちが楽になる。
今日はまだ、二日目なのに色んなことがあった。
まだ、整理が出来ていない。
「玉玄・・・どうした?」
僕は最近、人の気配を敏感に感じることが出来るようになった。
「お気付きでしたか・・・?」
僕は、振り向いた時胸が思いっきり、締め付けられた。
今まで見た事が無いほどの、悲しい顔。
玉玄は、強くて、何でも出来る。だから、余り気に留めたことは無かった。なのに、こんな顔をするなんて。
言いたいことは大体分かった。
「また、心配か?僕は大丈夫だから。」
返事が来る前に、僕の頬が真っ赤に染まった。
____バシッ____
玉玄が、僕の頬を打った。
「なんでっ!?」
玉玄は、もう泣きそうだった。
「お願いです。貴方一人で、全てを背負おうとしないで下さい。貴方達を助けるために・・・私達分家が共に居るでは在りませんか?!貴方が傷付くのは、何よりも私達を傷つけるのです!!お願い・・・です・・・もぅ、無茶しないで下さい。」
(僕は、知らない内に皆を傷つけていた?)
月明かりしかない中庭。良く見えなかったけど、多分玉玄は泣いていた。
いつも、僕のために色んな事をしていてくれたのに。
僕は、その大切な人を・・・簡単に泣かしてしまった。
最低だ。僕は、反論しなかった。
「ゴメン。」
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落ち着いたところで、僕等は病室へ戻った。
お祖父ちゃんも、桔梗も言い合いをしていた。
(僕のせいで・・・あんな無茶しなければ。)
その光景を見ていると、罪悪感が自分を取り巻いた。
『結羅様が強くなるのは、私達にとって嬉しい事ですが、心配させないで下さい。傷付くなら、私達も一緒に傷付きますから。』
さっきの、玉玄の言葉。
僕は、お祖父ちゃんに言った。
「ごめん。もぅ、大丈夫。次からは、絶対無茶しないから。」
二人の言い合いは、一先ず納まった。
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「フンッ、余計な真似をして。」
桔梗が、一人になった僕の病室に来た。
相変わらず、可愛くない性格。美人が勿体無い。
「言い合いは、僕が嫌なんだ。聞いていていい気にならない。それに、桔梗の気持ちは分かってるから。」
(そうそう。二人とも、僕を思って言い合いしてたんだよね。)
そんな考えのつもりが、桔梗は違った。
「なっ//////私の気持ちが分かるだと?!ふざけるな。」
「?・・・照れるなよ。」
「てっ、照れる・・・だろ。」
(?何でだ・・・まぁ、桔梗は少しでも人に心を読まれるのが、嫌なんだろうな。)
_____チュッ_____
「・・・じゃあな。」
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「へ?・・・キス、した?」
よく考えると、恥ずかしい。直ぐに、心拍数が上がって、顔から火が出るほど赤面した。
「なっ、何なんだよ」
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次の日から、僕はもう学校に行った。
男達の正体は、まだ分かっていない。
そんなモヤモヤを残したまま、二日目は終わった。
そして、三日目。
どんな事があるのだろう_______
続く