ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 腐った彼は、笑わない。 ( No.4 )
- 日時: 2010/03/24 19:34
- 名前: 宵子 ◆OKoRSyKcvk (ID: dDqXdW37)
story-03【腐った説明は上手くない】
実験都市(シミュレーションシティ)。
そう名付けられた都市は、日本の首都——東京の地下深くに存在する。
東京の真下に位置するその都市は、今から約30年前に作られた———政府直属、科学発展の為の実験場である。
実験場、と聞いて嫌な想像をする者もいるだろうが———ここは違う。地上と何も変わりはない。むしろ、実験都市(シミュレーションシティ)の方が快適な生活ができるであろう。
……便利だ、という点においては。
地下では、実に様々な実験———人間の精神や行動、思想さえも利用した、生ける実験が行われている。
そのせいか、地上と比べて危険が多いのが、ここの欠点だと言えよう。それを理由として土地を安く売る物件屋も少なくはない。
ここでは、多種多様の実験の産物が、人々の間を行き来し、試用されている。
例えば、つい最近まで無理だと思われていた、某人気アニメでお馴染みの、人間に付けると飛べるという小型ヘリコプター。
流石に人間にはまだだが、この都市ではそれを利用した監視カメラなどを製造し、使用している。
ここでは、都市を東西南北と中央で分けている。
中央エリアでは主に、東京の管轄下にある特別な政府が、治安や政治を主としてこの街を監視している。数年前と比べれば、十分に安全な区域である。
————そんな都市だが、決して良いことだけだというわけではない。
東エリアと西エリア。
この2つの区域の治安の悪さといったらない。最近では両方ともが、ヤンキー同士で別のグループを作り、抗争しているところさえ見られる。
最後に、北エリアと南エリア。
至って温和なこの区域では、“とある人物”が睨みを効かせているせいか、あまり争いごとが目立たない。
ここでは主に工業発展の研究などをしており、特に北には機械工場が多い。
————このように街は5つのエリアに分けられている。
果たしてこの実験都市(シミュレーションシティ)は、なぜ治安が悪いのか?
理由は簡単。警察というものが存在しないからだ。
ここは地下———しかもただの実験場という名目から、地上からはひどく遠い存在と成りえている。
そのせいか地上———東京の政府からは、10年前から、よっぽどのことがない限り、補助をされていない。
つまり、ここは無法地帯———いわゆる、悪の溜り場のようになっているといっても過言ではない。
だがしかし。
この実験都市(シミュレーションシティ)には———およそ7年前程から、“守護神”と呼ばれる、強き者たちが現れるようになった。
中央には警察まがいの刑事が。
北には鼠が。
東には吸血鬼が。
南には正義が。
西には情報屋が。
そのおかげか、7年前から今現在まで、悪が支配する都市とは成りえていないのだ。
しかし、その実験都市(シミュレーションシティ)が————今日も、じわじわと。
綺麗に悪に染まりつつあることに———誰も気づかない。