ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 女神様は悪魔(オリキャラ♂・♀(特に!)募集中!) ( No.25 )
日時: 2010/03/31 08:22
名前: レオ (ID: F35/ckfZ)

第四話「不幸の予兆」

『うわあぁぁぁっ!!!!』
ニィが死んだ。槍の一突きで。
『うううっ!!』
シードが死んだ。撃ち殺された。
『ああぁぁっ!!!』
キリアが死んだ。9体の魔物に槍で串刺しにされ、はらわたを引きずられ、頭を割られ、腹を裂かれ、そのあとに食われて死んだ。今までで一番残酷な殺され方。
何で俺だけ生きてんの?幸せなのか不幸なのか解んないね。何で俺だけ死ねてないの?
全てをぶち壊しにした俺が生きてる。俺だけ生きてる。
ナゼ俺ガ生キテイル?存在スル意味ナド無イ…。
ナゼ俺ハ死ンデイナイ?存在スル意味ガアルノカ?
…。当然か、皆俺が殺したからね。俺がったのは俺の家族だろ?こんな忘れかけてた記憶が何で今甦るかねぇ?しかも、家族の所が仲間になってるし。
……。皆死んで消えてく予兆かい?まったく、気味が悪い…。
「っ!!!」
またかよ…。最近はこの夢ばっかだね。
あ〜ぁ〜。こんなに汗かいちまって…。こりゃ風呂はいんなきゃ風邪ひくね。

「ディアさん、大丈夫ですか?顔色悪いですよ」
「え?そうかい?何だろうね、別に思い当るところなんてないけど…」
「…女にふられたか?」
「残念だけど俺をふる女なんていないっつの」
シードもだいぶ打ち解けてきた。昔に比べればよく喋るようになったんじゃねぇの?毒舌は増したけどね。
「…が…ずに…ますか…」
「キリアかい?」
キリアが遠くで喋っているように聞こえた。
「多分、『雑魚が懲りずに群がりきますか』って言ってたんだと思います。多分、戦ってるんですよ!」
「急ぐぞ」
「解ってるっつの!」
そして、キリアの元に駆けた。そこにいた女は、水色の髪に真紅の瞳…。そう、「誘惑の悪魔」に戻った『COS-MOSU』だった。
「おい…あれはっ…!」
怒りを隠せないような表情で見てくるシード。
「ちっ…」
「なんです?何が起きているんですか?」
何故シードが怒っているのか解らないニィ。
「そんなことはどうでもいいじゃん?まずは困ってる仲間を救うのが先だろ?」
「仲間などでは…ないっ!!」
とうとう怒りが爆発してキリアでもあったCOS-MOSUに襲いかかる。
「シードさん…」
正体が見つかってしまいましたか…。ならば敵ということですか?それなら私も手加減しません。
「貴様…。誘惑の悪魔か!?騙したな!」
「ご存じありません?誘惑の悪魔は人を騙すから『誘惑』がついたのですよ」
互いに見事な攻防戦を展開する。
「ちょ、ちょっと何なのよ!仲間割れ!?」
COS-MOSUに挑んできた女3人男1人の仲間たちは混乱状態である。
「シードさん!?大切な仲間ですよ!?」
「…」
もう、ニィの声は届いていなかった。COS-MOSUに騙されたことによる復讐心でいっぱいになっていた。
「ヤバいね…」
COS-MOSUは人間じゃない分、今までの義理なんて感じない。だから全く手加減なしで行くんだよ…。
「とにかく…。私達はあの短剣の男の人に加勢すればいいんじゃないの?」
「そうだよね、だってあの人誘惑の悪魔に攻撃してるし」
「よーし、そうと決まった行くわよぉー!!」
「OK、やってやろうじゃん!」
冷静な女の判断により混乱状態から回復した。
「俺達はCOS-MOSUの援護だ!!」
「ボクはっ…。一生シードさんについていくと決めたから…。ボクはっ…!!」
「敵かい?いいよ、かかってきな!」
これかい?最初の不幸は…。
「…!!」
意を決したようにハープを手に取り、それを奏でた。
「っくっ!」
アンタはこれで人を操ったり眠らせたりしてたんだね…。綺麗な音色で全てが狂いそうだよ。
ダメだ、こんなところで惑わされちゃ…。COS-MOSUは5人に囲まれてんだから…。こんなところで…。
「はっ!」
両手を銃に変え、連射している。それは確実に当たっているが、致命傷を与える場所からはズレていた。
「きゃぁぁっ!!」
「うっ!!」
「ああぁぁっ!!」
「いやぁぁぁっ!!!」
「うあぁぁっ!!」
様々な悲鳴がこだまする。それを聞いただけでニィは泣きそうな顔をしていた。そして、その現場に目をやった時にニィは吐きそうに両手で口を押さえていた。
「…何だい、これ…」