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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 始まりは懺悔の願い ( No.1 )
- 日時: 2010/03/29 15:04
- 名前: 暗刻の導き手 ◆MCj.xXQAUE (ID: PRmCvUEV)
すべての終わり
影さえも塗りつぶしてしまうような、暗く、寂しすぎる広々とした部屋。
家具と言えるものはほとんどない。唯一、壁に立てかけられた鏡だけが家具と言える。
鏡は女性の身長程の大きさ。
その前に、いる。一人の人間がいる。
女性だ。
どれだけ暗くとも、その女性の美しさは隠しきれない。そんな女性。
「ねえ、若奈〈わかな〉」
柔らかな、綺麗な優しい声。
一度聴いたらいつまでも覚えてしまえるであろう声。
「私は貴女のことが嫌いじゃないわ。たとえ——」
声が曇る。
特徴的な、誰が聞いても好意的な声だから、それは酷く明らかに分かる。
「貴女の願いがこの結末を生んだのだとしてもね」
誰にも聞かれない声が、部屋に静かに響いた。
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