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Re: 始まりは懺悔の願い ( No.9 )
日時: 2010/03/31 15:13
名前: 暗刻の導き手 ◆MCj.xXQAUE (ID: yL5wamFf)

「おっはよー」
 明音に続いて、若奈は教室に。
「おはよう」
 全く雰囲気の違う人気者二人は、あっという間にクラスメイト達に囲まれた。
「おはよ、明音、若奈!」
 和気あいあいとした雰囲気のクラス。
 このクラスでは、明音を中心に友人関係が構成されていて。大人しく、どちらかといえばいじめられっ子タイプの若奈がいじめられず、おまけにクラスの中心的グループにいられるのは、明音のおかげだった。
 明音は、よく言えばクラスのリーダー。悪く言えばクラスの独裁者だ。
 明音は良くも悪くもクラスメイト達に影響してきた。もちろん、若奈にも。
「……若奈? 聞いてるー?」
「ふえ? ……うん、もちろん聞いてるよ?」
 そんなことを考えていて、ぼうっとしていたらしい。
「そっか。ボーっとしてる若奈も可愛かったよ」
 今日三回目の可愛かったを笑って聞きながら、若奈は思い出していた。
 小学六年生のころを。二年前のあの時のころを。
 かくして、いつもの一日は、しばし、続く。