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Re: ロンリー・ジャッジーロ 第三章-12 ( No.106 )
日時: 2010/11/22 16:58
名前: こたつとみかん ◆KgP8oz7Dk2 (ID: KLUYA2TQ)
参照: 語学研修が近い…。行き先はロスですが。

第三章『鐘の戯言、菖蒲の羞恥』⑫

 ニコが一息つくようにため息をし、一拍ほどの時が流れ、やがて彼の唇が動いた。
「まずは、お前たちの“家族”……。彼らは僕が出来るかぎりの範囲で手厚く埋葬した。……こうなったのも、そちらの地域の注意を怠ってしまった結果だ。今一度、僕が代表して謝らせてくれ」
 彼は目を伏せ、そのまま軽く頭を下げる。
「突然に、そして勝手ですまないが、僕が責任を取ってお前たちの生活を全て保障することを誓おう。そっちの意見を聞かずにことを進めてしまってすまないが、……正直、他の事で償えることが思いつかない」
 そして顔を上げ、目を開けてミィ、フクマ、ユノもといニーベルたちを見回す。
「これも僕の独断でだが、二度とお前たちがそういう連中に襲われないためにも、必要な力の習得をしてもらう。魔導の基礎から実戦に基づいた応用まで、パーフェクトに僕が仕上げると約束する。……以上、何か質問はあるか?」
 そのとき、ニコの顔が心なしか会心の笑みのように見えたが、三人は雰囲気を壊すという野暮なこと、つまりわざわざ指摘することはしなかった。
 ただ、フクマは無くなった右腕の部分を押さえるように右肩に手を掛け、膝元を見るように目を伏せたまま言った。
「私は……出来ない。こんな姿になって……、自分の身なんか、守れない……!」
彼女の右腕は大口径の銃で撃たれたときに千切りとられている。常識的に考えて、小柄な少女が片腕で武装した人間に勝てるはずなどない。
 しかしニコは表情を崩さずに立ち上がる。そして壁に掛けて飾ってある装飾ナイフをひとつそこから外して柄の先を、親指を除く四本の指で摘んで持った。何をするのかとフクマは眺めていると、彼は唐突にそれをユノに向かって——投げた。
 縦に回転しながらナイフはユノへ飛んでいくが、彼女は微動だにしないでただ悠然とソファに頬杖をつきつつくつろいでいた。
空を切り裂き飛んでいくそれがユノへ当たる寸前、
「くひひひひひひ……」
彼女の笑い声が聞こえると同時に、それが回転運動を続けたまま空中で動かなくなった。
「ニコよ、汝も人が悪いのう。魔導について言論で説明すればよいものを……。わざわざ、妾を使いおった。……にしても汝らよ、」
 彼女はフクマを目の端で捕らえ、続ける。
「彼奴は汝らにこの不思議でならない魔導を習得させる気だ。確かに、これなら片腕がなかろうと関係ないのう。くひひ……、愉快、痛快、何て奇怪。全くもって酔狂じゃ」
 ユノはそう言ってから声高らかに笑った。続けて指を立て、その先をナイフに向けた後、軽くそれを天井の方向に払って見せた。その動作と共にナイフは移動方向を変え、上に向かって飛んでいき天井に刺さった。
 ニコが移動し、もう一度ソファに座りなおすと、今度は神妙な面持ちで少女たちを見た。いや、睨んだといっても言い。
「お前らに結合させる精霊は僕が用意する。だが、その魂が抜けきったような顔の人間に力を与えても仕方がない。故にお前たちには覚悟を見せてもらう。……名前を、捨てろ」
 最後の一言は特に力を込めて彼は言った。よほど重要な事柄なのか、その顔は一切の冗談はなかった。
 付け足した彼の説明によると、一度精霊を取り込むとそれと一生を共にすることになる。生半可な気持ちでそれを受け入れても、いつかどこかで後悔してしまうというのは目に見えているかららしい。だからそれの引き金となってしまうような、己を縛る一番のトラウマ——“家族”を心から切り捨てることが必要らしい。
 その説明を終えると、ユノは即座に挙手をして提案する。
「あえて言おう、妾の主にその必要はない。すでに彼女は妾を受け入れ、過去を受け入れると共に前へ向こうと決意している。……異論はないはずじゃ」
 彼女の発言にニコは「ああ」と頷き、フクマの顔を一瞥する。彼女にしては珍しく、微かに困惑しているような表情だった。
 その理由は明白だ。誰であろうと、今まで“家族”に愛されてきた人間にとっては縁を切ることなど容易には出来ない。加えて、フクマにとって“家族”とは自分を死の淵から救い出してくれた恩人であり、何も持っていなかった自分に無償の愛を送ってくれた母でもある。“家族”に執着するか、現実を受け入れて前を向くかの選択肢。第三者から見れば回答は容易に見えるが、主観視点からならどうだろうか。例えるなら瀕死状態の母親と恋人、どちらかしか助けられないという条件で選択を迫られたようなものだ。つまり、彼女にとって“家族”はかけがえのない物であるということだ。
 迷っているフクマが無意識に発するネガティブな空気が部屋の中に周りはじめようとしたとき、
「……判った」
唐突に、彼女は選択をした。
「この屋敷で見た本の中に、確か……ここのそばの丘を越えた向こうにある海のこと。あれは、そう、太平洋(パシフィック・オーシャン)っていう名前……」
 そう言って窓の外、彼女が言う丘が見える方向を指差す。
「……決めた。今日から私の名前は、フクマ・パシフィック・オーシャン。世界を繋ぐ母のような大海原のように、私は大きく生きる」
 言い切り、幻覚か彼女の瞳に己の弱さを捨て去った、決意の光が灯ったのが見えたような気がした。
 ニコが満足そうに大きく頷き、今度はミィの方を見た。
 今更だが、ここにはミィもいた。そのことすら気づかせないほど、彼女という存在は空前の虚無感を放っていた。ここでユノはニーベルの記憶で不審に思う。元々、彼女は“家族”の中では結構喋る方で、その存在感はかなりのものであった。しかし、今回はそれを疑わせるほどの変わりぶり、まともではないと思うのは当然だろう。
 それどころか彼女の顔を見てみると、存在感云々の前に意識すらあるのか判らない状態だった。顔色は蒼白、口は半開きでどう見ても普通の状態ではない。
「ふうむ……? 彼奴、大丈夫なのか?」
 それに答えたのはニコだ。
「心配は要らない。僕の催眠で少々落ち着いてもらっているだけだ。……何せ、心の傷があまりにも深くて度々暴れだすからな、こいつは」
 口調は軽やかだが、その表情は明らかにネガティブ方向だ。沈静させるためとはいえ、幼い少女に荒っぽい行動に出てしまったことを少し後悔しているのだろう。
「……聞け、最も重要なことだ。こいつの前で二度とこいつの名前、あのときに関するワードは一切口にするな。聞いたら最後、かなり精神に害を及ぼす。最悪、廃人だ」
 それから彼はミィの名前は自分が決めるといったことを言い、少し考えたしぐさをした後、微かに躊躇いながら口にした。
「命ずる。お前の名前は、クロエ。クロエ・ルイ・アーシアラだ」
 言い方は催眠術を同じだが、古代共通語ではないので意味は成さないだろう。だが、「そうなってほしい」という意味を込めての言い回しかもしれない。
 名付けられ、己の存在を教えられたミィもといクロエの瞳には徐々に生命の光が発生し、
「クロエ・ルイ・アーシアラ……」
確かめるように呼ばれた名前を復唱した。
 電源を入れたエンジンが次第に熱を持つように、口を開いてから時間を置いてから、クロエはフクマとユノもといニーベルを見る。その表情はいつかのように明るく、ミィであった頃と変わりはない。
「フクマに……、ええと、見た目が変わったけど……ニーベル? 何だか、すごく久しぶりな気がするね。……気のせい?」
 そう言ってくるクロエに、二人は何も言うことが出来なかった。急に名前が変えられ、されど雰囲気や顔はそのもので、そして以前まで呼びなれていた名前を決して呼んではいけないという現実に戸惑い、彼女たちは容易に言葉を発せない状態でいる。
 無論彼女は不思議に思い、聞く。
「……どしたの?」
 質問を聞き、はっと我に返ったフクマが不信感を抱かせないように取り繕う。
「何でもない……。ミ……いや、クロエ、ここがどこだか判る?」
「え、ニコさんの屋敷でしょ? 確か何かの縁でここを訪れてたんだよ。そして家が火事か何かで無くなったのを話したら、縁だから住まわせてくれるって……。覚えてない?」
 どうやら屋敷にいる経緯すら改変されているようだ。これなら、フクマたちが口を滑らなければ思い出すことはないだろう。罪悪感という、拭いきれない産物は二人の中で発生するが。
 「変なの」と首を傾げてクロエは笑い、ピョンと飛び上がるようにソファから立ち上がって窓の方へ歩き出す。外を見ると、晴天だった空には灰色の雲が現れて銀色の結晶がポツリ、ポツリと振り出した。


 時は進み、AR二千六年の春。
 暖かい風がヴィ・シュヌールの街中を駆け巡り、人々の生活が活気付き始めた頃。フクマ、クロエ、ニーベルは十二歳という年齢にまで成長していた。
 フクマは以前よりも口数が少なくなったが、心に強い芯を宿すようになり、本が好きな性格からか色々な知識を持った。クロエはニコが責任を感じてなのか、特に力を入れて常識や知識、その他諸々を教え込み、「家事や礼儀作法を完璧にこなすお嬢様」と言われれば納得せざるを得ないような人間へと成長した。内面も次第に大人びてきて自我を抑制できるようになったが、感情が言葉に出てしまうことがしばしば起こる。
 そしてニーベル。彼女は無愛想、無表情という付き合いづらい性格だったが、六年もの間裕福な生活をするという経験を経て、表情には感情が表れ、あまりはっきりと他人と関われないが、コミュニケーションをとるようにはなっている。ユノも現世に登場する回数をニーベルが成長するのに比例して少しずつ自重していった。主のことを気にかけ、忠実に行動していることがここから理解できる。
 ネバートデッド家の裏庭、洗濯した衣類を居候三人組が干していた。住まわせてもらう代わりに屋敷に奉仕するのは当然だと、三人が自発的に行い始めたのだ。ニコやレイジーも最初は不安がっていたが、その働きぶりを見てからというもの使用人と大差ない仕事量を三人に任せることになっている。一見これは仕事を押し付けているように見えるがそうではなく、三人にとっても信頼されているという安心感、そして屋敷に住むだけの価値を手に入れたことによる充実感に満足している。
 余談だが、中でもニーベルは料理の才能を開花させ、厨房にも立つようになっている。
 そこにいたニーベルは洗濯籠の中に入っていた最後の一枚を物干し竿に掛け、「やり切った!」とでも言うように大きく腕を大空に向け、目をぎゅっと閉じて伸びをした。
「ニーベルさん、ちょっといい?」
 息を止めて伸びている最中に急に声を掛けられ、思わずぶはっと息を吹き出してしまう。それに対して声を掛けた方も驚いてしまったようで、背中越しに短く聞こえた声がそれを物語っていた。
「レイジー……さん……?」
 ニーベルは振り向きざまに相手の名前を呼ぶ。六年も同じ屋根の下で暮らしているというのに、一向にこの緊張したしゃべり方は直っていなかった。話そうともしなかった昔よりは成長しただろうと、ニコやレイジーは妥協したのかこのことについては五月蝿く指摘はしていない。
 名前を呼ばれたレイジーは空に浮かぶ日輪の如くにこやかに笑い、手に持っていた買い物籠と財布、そして何か書いているメモらしき紙切れをニーベルに見せ、それらを手渡した。
「終わってすぐで悪いんだけど、ちょっと西通りの商店街まで買い物を頼んでいいかしら?」
 彼女が言った西通りとは中央地区にあるところだ。
 ニーベルは嫌な顔ひとつせず、やや緊張気味に返事をしてレイジーからそれらを受け取る。メモを見るとどうやら食材などが書かれているようだった。
 買い物籠を胸に抱え、フクマやクロエと一緒に行こうと振り向くが、すでに彼女たちにはレイジーが別の仕事を与えていてそれは叶わなかった。——残念。仕方ない、かあ……。それを見て軽くため息をつき、決心して一人で出掛けに行く。
 屋敷の中を通って行く際、使用人に連れられて誰か見たことのない男性とすれ違った。


 ——ええと、まずはお肉から……。
 買い物に行くルートを考えつつヴィ・シュヌール中央地区の西通りを闊歩するニーベル。彼女は一人でここへ来るのは初めてであり、少々戸惑いながら人ごみを避けている。
 当然といえば当然だが、そういう状態の人間は挙動不審とまでは言わないが、基本的に周りから浮いていて目立つ存在となる。加えて、それが金銭を持っていそうで力のなさそうな子供だったら、この法律のないヴィ・シュヌールの中ではどう見えるか? 間違いなく、強盗にとって絶好のカモとなるだろう。
 この国では見逃すほうが不自然だ。ニーベルをカモとして見つけた数人の男女が後ろから、逃がさないように前から彼女へ近づいていく。狙われた獲物はまだそれに気づいていない。
 徐々に距離をつめていき、後ろから近づいた男がニーベルの肩に肉食鳥の如く掴もうとする——、
「がっ……?」
が、前方から飛んできた何かに顔を強打してしまい、疑問符混じりの声を漏らしながら大きく身体を仰け反らせて倒れた。
「え?」
 これに気づき、獲られる寸前だった獲物が振り向く。倒れた男の仲間たちは何が起こったのか判らないままニーベルが感づいたことを焦り、男が倒れた原因を見た。
 飛んできた、正確には跳んできたそれは銀色の鳥のようだった。それを思い浮かぶほどそれは華麗にして可憐で、目撃した人々はそれに目を奪われていた。
 それが地面に着地する。そしてすっくと立ち上がり、ニーベルの鞄を強奪しようとしていた連中を睨み付ける。
 背丈、体格は中肉中背。凛とした雰囲気をもったそれは、その格好良さから少年に見えなくもなかったが違った。それ以上に美しさと可愛さがあり、並みの女性が思わず嫉妬するようなそれは——銀色の髪と翡翠色の瞳を持つ少女だった。
 先ほどの男は彼女の飛び蹴りを喰らい、陣中に当てられて昏倒させられたのだ。
「な、何なのさアンタ! 邪魔しないでよ!」
 連中の一人の女が怒鳴る。稼ぎを邪魔したのが獲物と同じような年頃の少女だということが更に彼女を怒らせた。対する銀髪の少女はというと、それに怯むことなく腰のホルスターから斧のような重そうな武器を抜いて構え、臨戦態勢をとる。
 それが彼女らの怒りの爆発となったのか、連中は声を上げて銀髪の少女へ向かっていった。銀髪の少女も応戦する。
「はあぁぁぁぁ……!」
 肺から息を吐き出しながら、銀髪の少女は腰を捻って斧よりも身体を大きく回し、普通なら持ち上げることも不可能な斧を遠心力で振るう。銀髪の少女の左腰から右肩へ逆袈裟に振るわれたそれは、真っ先に向かってきた女ともう一人の男の右腿、右の肩に当たり肉をえぐるように斬り裂いた。
 それぞれが悲鳴をあげて地面に倒れこむ。彼らを追い越すように飛び出してきた三人目の男に、銀髪の少女は振りぬいた斧の先端を地面にぶつけ、その反動を最大限に利用した力の掛かった後ろ蹴りを、三人目の男の水月にめり込ませるように踵から蹴り上げた。うめき声を上げて彼が膝から地面に落ち、そのおかげで彼の後ろから走ってきた四人目の女が視界に入る。
 対象との距離は一メートル弱、ここから斧を振りぬいても届くはずがない。しかし、銀髪の少女は地面に刺さった斧の柄の先を四人目の女に向け、そのまま刃を地面の方向へ押しながら柄を大きく引き絞った。火薬が爆発するような音が周囲の人々の鼓膜を揺らし、地面を揺らす。
 斧は振動で地面との反発力によって銀髪の少女の手から逃げるように飛び出し、柄の先をその方向にいた四人目の女の左肩にめり込ませた。そのことで関節を抜かれた四人目の女は左肩を押さえて飛ばされ、仰向けに倒れる。
 彼女から跳ね返るように飛んできた斧を銀髪の少女は足で受け止め、失速させてから確実に手で受け止めた。余裕あるその行動は全てが片付いたことを意味している——はずだったが、そうではない。連中は後ろからも来ていたのだ。
 連中の中でも大柄だった身体のせいなのか、彼らとはかなり遅れてニーベルの元へ向かってきた。大柄の男は今この場の状態を目にし、一瞬で何が起きて何が原因なのかを理解したらしく、丸太のような太い腕を振り上げて銀髪の少女に殴りかかろうとする。
銀髪の少女はそれに気がついていない。そのことを誰よりも先に目撃したニーベルはどうにか助けようと考えるが、考える時間が足りない。
 ——駄目、間に合わない……! そうネガティブな思考がニーベルの脳内をよぎった瞬間、ニーベルの身体は走り出した。文字通り、ニーベルの意思とは関係なく身体のみが動き出したのだ。
 疾風の如く地を駆るニーベルの髪の毛は瞬きひとつの時間で鮮血のような赤色に、両の瞳は爛々と輝く金色に変貌した。その姿は紛れもなくニーベルの精霊、ユノそのものだった。
 大柄な男は銀髪の少女に対して拳を振り下ろす最中だった。それが彼女の頭蓋を砕こうとしたとき、ユノはその倍近い速度で横から大柄な男の左頬を殴りつけた。精霊がもともと持つ腕力、突撃してきた際の速度、魔力で増幅された力、蛇足だがニーベル自身の腕力を足して繰り出された無駄な動きのないストレートの威力は人間のそれではなく、鉄の棒を至近距離でフルスイングで振りぬかれるよりも強い。人間ならまともに意識など保てない。
 音を聞いて銀髪の少女が振り向く。目の前にいきなり赤い髪の少女が跳んできたのだから驚くのも無理はない。つかの間声を出すことも出来ず、無意識に腰を地面に落としてしまっていた。
 ユノは着地後、銀髪の少女を一瞥して彼女が立っていないことを確認し、助け起こすように手を伸ばしてから、
「小娘よ、助かった。妾は珍しく汝に多大な敬意を表するのじゃ」
そう言って人間と変わらない表情で、笑った。




〜お知らせ〜
やほーノシ
寒くなってきましたね…^^;
さておき、
私の学校では再来週から語学研修という名の渡米という試練があります。
これが意外と長く、モンハン3ndの発売に帰ってこれないわけですね。
というわけで次との間がかなり開いてしまいます。そのことについてご理解くださると助かります。

こたつとみかんでした。