ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: ロンリー・ジャッジーロ 第一章-4 ( No.21 )
- 日時: 2010/08/06 16:07
- 名前: こたつとみかん (ID: eMnrlUZ4)
- 参照: 暫く福島へ行ってきましたっ!
>>19 right様
投下有難う御座いますっ!
これはもう・・・・・・「グッ」と来るどころじゃないですよ。申し分ないですよ。
特にカイ・アースクッドの方はブランク(主要キャラ)以上の存在感を誇りそうな予感がしますw
細かな服装、容姿まで書いてくれて有難う御座いました。
そのうち、早くても第二章の後半以降に登場するので、楽しみに待っててください。あ、勿論、二人とも出させていただきます。
こたつとみかんでしたっ!
>>20 羽鳥様
オリキャラ投下有難う御座いますっ!
ふふ・・・・・・。相変わらず、いい所を突いてくるじゃ在りませんか・・・・・・!
なんかもう、ディオーネ・ダウストリアはもうすでに「何処でどう出すか」というの創作意欲が沸いてきましたw
性格に好みまで書いてくれて、とてもそのキャラクターが判りやすいです。
二人とも出演予定です。ディオーネの方は意外と早くでるかも。
こたつとみかんでしたっ!
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第二章『大仕事』①
あれから、暫く日にちが経った。アイリスが心身に受けた傷も完治、とは言わないでももう大体治っていた。右手にはしっかり力が入るようになってきたし、はじめは自分の部屋から出て来れなかったが、今は外にニーベルと出かけられるようになった。だが、その心のケアのためにニーベルが色々と必要以上に購入していたため、それに費やした金は泡のように消えていった。
借家の家賃。食費。武具調整費。水道代。電気代。ガス代。ありとあらゆる生活費が不足している。更に先日の騒ぎで荒らしてしまった広場の修理代や、丁度風邪をこじらしているニーベルの治療費及び看病に必要な費用もあり、どうやって生活費を抑えてもどうにもならなかった。
そして、気がついたらいつもの酒場の前に来ていた。アイリスとニーベルが住んでいる借家は西地区の端にある、通称、地獄通り(ヘルストリート)と呼ばれる場所にある。そこはやけに地価や借家の家賃の安い、いわゆる「曰くつき」の住宅が立ち並ぶ通りだ。故にそう呼ばれる。そして、そこから中央地区の酒場に来るにはかなりの距離がある。無意識に来てしまうというのは多少無理があった。——我ながら、必死だな。でも、生活がかかっているのだから当たり前か。こうなったら、便利屋の仕事でも何でもやりまくってやる。稼いで稼いで、少なくとも二ヶ月はもつようにしてやる。もうヤケだ。
建てつけの悪い扉を開き、中に入っていく。煙草や酒の悪臭に耐えながら、足早に店の奥にある、依頼の紙が貼ってある掲示板に向かった。そして、それらを見て最も報酬が多いものを選ぼうとした。
ドブネズミ退治、一匹八十ダルズ。店番二時間、九百五十ダルズ。失せ物探し、千二百ダルズ。——ロクなものがない。
小説の挿絵、千四百ダルズ。道具費用は個人負担。
——道具くらい用意してくれ。
半鬼人の頭角の採集、一本三百ダルズ。
——何だ、この安さは。
パシリ、十ダルズ。
——なめているのか。
ガラクタ集め、四万七千ダルズ。採取したガラクタを一個五千七百ダルズで買い取り。
——最早、どういう仕事だ。
アイリスが過ぎ去ろうとしたとき、はっと気がついて最後の依頼を凝視してしまった。ガラクタ集めで四万七千ダルズ。——高い。高いにしても、高すぎる。しかも、採取したガラクタを一個に付き五千七百ダルズで買い取り、だと……?
即決だった。迷わなかった。若干怪しいと思ったが、遅かった。アイリスはもう受注してしまった。
依頼内容の詳細は特に書かれていなかった。ただ、東地区の工業通りの第三工場前に集合とのことだった。詳細は集合してから話すらしい。意外と簡素だった。——待てよ。集合……? ということは、自分以外にも便利屋の誰かがこの依頼を受注したのか。いや、依頼主があえて複数の便利屋が受注するようにしておいたのか。いずれにせよ、アイリスは行くつもりだった。
分割します。