ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: Prologue ( No.12 )
日時: 2010/05/01 14:25
名前: 律 ◆tdNM0cwS6s (ID: 0vH/svqy)

■第一章 04


 『気が向いたら教えてくれ。』

 …別に、気ィなんて向いてねぇし。
 静まりかえった俺の部屋、一人ごろごろとベッドを転がる。
 
 「相澤学園……。」

 俺にとっては…耳障りな学校の名前を呟く。
 大体どうすりゃいいんだよ。
 もう戻れねぇことを、いつまでたってもグダグダグダグダ考えても無駄だっての!
 過去は過去!!戻れない!!
 それによって、俺の人生終わったわけ!!!

 …気がつくと声に出ていた。
 無駄に広いこの家に、俺の声がこだまする。

 『気が向いたら、教えてくれ。』

 話したら…少しでも気が楽になるのか——。
 フッと過ぎった考えを打ち消す。

 「りーゆーきー…。」

 気がつくと呼んでいるあいつの名前。
 何なんだ、俺は。助けなんかいらねえ。
 俺は一人で地道に汚ねぇ人生を歩んでくからいいんだよ。
 —ずっと一人で。

 胸を何度もよぎる空しい想いが溢れる。

 「助けてくれ——。」