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第3話 無謀な挑戦  ( No.116 )
日時: 2010/04/18 15:33
名前: 禰音 鏡幻 ◆akHvV3kiSo (ID: cYSZrqDn)

「まさか…一歩も動かないなんて」
「無論、実際に魔王は私だけだ」
「質問いいですか?」

マリアが珍しく口を開いた。
そして…

「コイツ、強いですか?」
「強いか?恐らくここに居る者の中では私の次に当たるだろう、それほどまでに強い」
「それは社長、アンタの能力の誇示も含まれてるんじゃないか?俺と1回組み手しようぜ。お前は…名前なんていうんだ?」
「黒刃」

黒刃、何処かで聞いた覚えがあるが今は気にしないでおこう。
それより、本当に強いのかは見ものだ、
レオンの馬鹿が自ら進んで細切れにされに行くのだから。

「で、勝敗の判定は?」
「死ぬまでで…良い?」
「それで良いのか?後悔するぜ?」
「そこの馬鹿チビ、お前は多分死ぬぞ」

レオンに向かって紅破が暴言を吐くがもう聞こえていない。
集中力は素晴らしい
しかしまだ発展途上、魔王レベルの者に歯が立つわけが無い。

「良いよ、私はここから一歩も動かずに殺ってあげる。ダメージはかなり残ってるけど君一匹殺すくらいわけないよ」
「なめやがって!」

レオンの咆哮とともに青白い光の剣が黒刃に降り注ぐが、宣言通り
動かないで串刺しだ。
しかし生きているのは見て取れる
それくらい平気な顔をしているのだ。

「じゃあ、今度はこっちから」

と良い、手をレオンに向けるといとも容易く首の骨が後ろに捻られた。
しかしまだ生きているらしい、
当たり前の顔で首の骨を元に戻すとすぐに反撃に出る。
白魔法の類はあまり得意としてはいないレオンだが
この場合は白魔法でなければ倒すのは難しい
黒刃の使うのは今の所低級な黒魔法だけだ
何とか押さえ込めばレオンの勝ちが決定する。
しかし、そんな甘い考えが通用するわけもなく
放った魔術は全て地面に叩きつけられた。

「マズイな、魔力の使いすぎだ」
「貴方は上級魔法の使いすぎよ、だからすぐにガス欠になるの。…知った所でもう遅いかな?今から私に殺されるから」
「そこまでだ、試合終了。まだ足りなければ私が相手をしよう」

サタンが瞬間移動したらしい
黒刃のトドメの一撃をあろうことか片手で止め、
残る片方でレオンを救命班に投げ飛ばした。

「う゛!…イテェ」