ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

第1話  学校って何だ? ( No.186 )
日時: 2010/05/12 21:42
名前: 禰音 鏡幻 ◆akHvV3kiSo (ID: cYSZrqDn)

校内放送が1日の始まりを告げる。

『生きとし、生ける全ての者達よ、起床の時間だ』

何だか、目眩がする言い回しだ。
そんでもって、ここは全寮制の戦闘魔術学校、
朝の挨拶は男子はお目覚めはいかがですか?
女子は御機嫌よう…何だよソレ。
何だかアレルギー反応を起しそうな…いや、
もう起している。
蕁麻疹が出ているのがいい証拠だろう。
孤児院からここの施設に移されたときは、
どれだけ抵抗した事やら。
妙に広いこの敷地内からどうやって逃げればいいか、
移された時から考えて、
3ヶ月前実行したが、
施設の恐ろしく広い情報網に捕まって、
1ヶ月前に連れ戻された。

「あ〜…鬱陶しい。何だ?この片耳ヘッドホンは!何で年がら年中キリスト卿に祈りをささげる歌を聞かなきゃなんねーんだよ!」

憂さ晴らしに適当なガラス窓を幾つか叩き割る。
今の私、つまり俺は、
成績優秀、運動神経抜群、学力は学校トップ、魔法は上級魔法を幾つも扱う。
そして逃げ出そうとする考えさえなければ、
学校1いい生徒だろう。

「何で逆音は逃げようとするの?私は楽しい学校だと思うのに」

今横から話しかけてきたのは、
2年間ずっとここにいて洗脳されきった馬鹿の、

「青柳、お前さ、よく発狂しないな。俺は今にも気が狂いそうだ。そもそも学校って何だ?」

青柳 流。
同じ部屋の私に並ぶエリートちゃんだ。
最も、私とは違い、独学ではなくきちんと授業を聞いているいい子ちゃん。

「最近思うんだよね、私は…なんで生まれてきたんだと思う?」