ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

第2話  …洗脳 ( No.188 )
日時: 2010/05/14 16:51
名前: 禰音 鏡幻 ◆akHvV3kiSo (ID: cYSZrqDn)

「は?青柳、いきなりなんだ?」
「だから、私は何をするために生まれたのかなって」

突然の問いかけに戸惑う。
普通は戸惑うが、ここでは十中八九、
原因が分かっている。
馬鹿な教師共か馬鹿親が、青柳に
「お前は生まれてきたのは間違いだったな、トップを取らずに何をしてるんだ馬鹿ヤロー」
的なことでも言ったのだろう、
俺の場合は他の生徒の親から孤児院出身というだけで、
恐ろしいまでに恨みを買っている。

「気にしないほうが良いぞ、その考え始めたら後は人間、自殺へまっしぐらに駆けてくからな?」

青柳は苦笑いを浮かべ、反論する。

「無駄な命は無いと言いますけれど、果たしてその綺麗ごとは何処までが本当なんでしょうね?役に立たなければ、無駄な命ではないですこと?」

ダメだ、喋り方もだが、
考えまで完全に洗脳されてる…。
そんな彼女を哀れみの眼差しで見ていたのに気が付いたらしく、
落ち込んでしまった。
…ヤバイ、このままだとマジ自殺しかねない。
そんな彼女をを励ましながら、黒魔術授業の教室へと向かった。
こんな、転校生がいるとも知らずに。