ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

第1話  バケモノ ( No.2 )
日時: 2010/04/14 14:04
名前: 禰音 鏡幻 ◆akHvV3kiSo (ID: cYSZrqDn)

「さあ、この世に別れを告げる時間をあげよう…3分だけね」

2本の曲刀を持った少女が白衣を着た男に
静かに言う。
その言葉は、とても冷めていて
氷よりも冷たいものだった
それこそ…自分を痛めつけた人間に向けるような
冷たいものだ。

「貴様…この程度で私がやられると思うか?答えはNOだ」
「残念ね、3分経ったみたい」

ドシャア!

勢いよく曲刀で男の首筋を引き裂く
驚くべきは、動脈、静脈をまったく傷つけず、小さな血管のみを狙い
引き裂いた事だ。
男は苦しそうにうめく
全身をいつの間にか縄で縛られている
処置を急げば間に合うが、急ぐ前に縄を切らなくてはならない。
完全に…どうしようもない。

「気が変わった…後2分あげる」

というと少女は立ち去った。
彼女は足を止めず、
哀れむ事もなく
暗い路地へ。

「モルモットが…クッソ!」