ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

第6話  USAG01 ( No.21 )
日時: 2010/04/02 18:10
名前: 禰音 鏡幻 ◆HRRBUxU0tQ (ID: cYSZrqDn)

「この子は・・・USAG01?私の後から造られたのか、攻撃力に特化しすぎてる」

水槽横のPCを操作しながら呟く。
彼女自身、呟いてばっかりだと思っていても今回は別物だ。
彼女の手が水槽内の排水を指し、Enterキーを押そうとしたときだ、

バン!

と音がして勢いよく研究室の扉が開かれた。
扉を開いたのは・・・何人もの武装兵!
ヘルメットを被った黒い奴等がマシンガンを構えている。
流石にHALにもヤバイ状況だ!
・・・・・・・・・・・・・・・・何年か前までは

「手が古すぎるね」

と言い、武装兵の視界から消えた。
消えたのではなく、見えないようなスピードで後ろへ回り込んだのだ。
その直後のHALは容赦無い。
理由は、改造遺伝子の本能だ。

「みーんな・・・霧散して消えるのが良いかな?」

と言った直後、3個もの手榴弾が爆発した。
爆発したのは、武装兵の腰にぶら下がっていた手榴弾だ。

「この子は・・・開放してあげようかな?」

と言い、引き続きPCのEnterキーを押し、排水した。
排水時の急激な環境の変化で目を覚ましたらしい、
回りを物珍しそうにキョロキョロと見渡す。

「貴方は・・・誰?」
「HAL-Ⅹ・・・のロゼ」
「ロゼ?私は・・・レーセって言われてたよ?」
「そのレーセは・・・研究資料として死ぬのと、私と研究施設を潰して回るの、どっちを選ぶ?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

迷っているようだ、無理も無い、
こんな事を聞かれたら昔のHALも迷っただろう。
しかし、レーセの決断は早かった。

「うん、ここから出たいな」
「・・・・・・・・・そうか」