ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

第9話  短剣 ( No.40 )
日時: 2010/04/04 16:41
名前: 禰音 鏡幻 ◆akHvV3kiSo (ID: cYSZrqDn)

今、レーセの武器を選んでいる。
重くなく、小さすぎない武器を選んでいたのに
あろうことか、途中でどんな重いものでも持ち上げられる。
という能力が発見され、今また全ての武器を試している所だ。
え?どうやって試すかって?

「決まってるじゃん、人間で試し斬りするんだよ」

レーセが短剣を手に取った所で出た言葉だ。
あの大人しそうな湖流からは想像も出来ないほど
冷え切った言葉だった。
しかも、その直後に陸軍とうかがわしき集団が
小屋の屋根にヘリコプターから降りてきたのだ。
湖流とロゼは顔色一つ変えないで、家の奥に入って行くと
誰かを連れて出てきた。

「ま〜た…来たの?」
「ああ、まただ。週に3回に減ったけど多いな」

連れて来られた女は、呆れたように指を振ると
ヘリコプターの音が掻き消されるほどの爆音が小屋の外から響いてきた。
・・・・・・雷と風の音?

「この地域は風が吹かないんじゃなかったの?」
「私が起したのよ、クラウド・トルネード」

後から聞いた話では、雷雲を竜巻で地上近くまで落としてきたものだとか。
その、恐ろしい電力を秘めた竜巻は
周囲の電子機器、電化製品をショートさせ壊してしまうらしい。

「あのさ、生かしておいてよ?」
「大丈夫、瀕死ではあるものの死者はゼロよ」

そして、その瀕死の部隊で試し斬りをしているというわけだ。

「この短剣、いいわね。これにする」
「ハイハイ。じゃあ、調整すっからこっちによこして」