ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

第11話  LA−2017 ( No.46 )
日時: 2010/04/05 15:49
名前: 禰音 鏡幻 ◆akHvV3kiSo (ID: cYSZrqDn)

ゴンゴン!

戸をノックする音が聞こえる・・・・・・
ケド眠いから無視。

ガンガン!

フライパンを叩く音が聞こえる・・・・・・
ケド眠いから無視。

コン…コン…バアン!

ドアの蝶番が吹っ飛ぶ音が聞こえる・・・・・・
ケド眠いから…

「無視すんじゃねえ!」
「湖流!何よ!せっかく久しぶりに気持ちよく寝てた…眼、どうしたの?」

湖流の酷い隈を見て問い詰める。
ど…どうする!?柳原湖流!
シャルが見張りを頼んだと言えばシャルの命が危ない!

「へ〜シャルが昨日の夜見張りを貴方にやらせたんだ」
「いや、そ〜じゃなくて・・・」
「誤魔化さなくていいよ、殺さないから」

記憶を読まれたが・・・
何とか危機は脱した!
・・・・・・ロゼは、何をしているんだ?
小屋から出て木を叩いて回ってる?

「もうすぐ夏よね?」
「ああ、そうだが…どうかしたか?」

当たり前の事を聞いてくる。
何がしたいのかさっぱりだ。

「グライダー、持ってる?」
「ああ、持ってるが…ほしければ譲るぞ?」
「じゃあ、頂戴。夏風に乗って都まで飛ぶから」

なるほど、季節風の利用か
この地域特有の季変現象を利用するなんて、普通の身体能力じゃ無理だ。
風が強すぎる

「いいぞ、グライダーは地下にある。持ってけ」
「ありがとね、湖流ちゃん」

というと、小屋の地下室へと走っていく。

「ちゃん付けは勘弁願いたいな」

1時間後、フライトの準備が出来た。
計算が正しければあと30秒で山に阻まれていた圧縮空気が谷に爆発的なスピードで流れ込む!

ダァアァアァン!

その風は、風ではなく爆発の衝撃波に近い威力に達する!

「じゃあね、2人とも!」
「お世話になりました!」

ロゼとレーセが手を振った瞬間、消えた。

「音速以上に近いから、息止めててよ!12秒!」

ゴオォオォ!

ロマンチックに耳元で風の音がする
…ではなく爆音が耳に響く。
耳が痛くなるレベルではない
常人には耐えられるまい。

そして、わずか12秒後
とあるビルの屋上に降り立つと誰かが待っている。

「いらっしゃいませ、お待ちしておりました。ハル様」
「シュイ?いい加減様は止めてよ」
「無理ですよ、自分の意思で言ってるんじゃ無いんで」
「誰?」
「レーセは知らなかったね、LA-2017のシュイだよ」