ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- 第1話 殲滅戦 ( No.79 )
- 日時: 2010/04/10 15:07
- 名前: 禰音 鏡幻 ◆akHvV3kiSo (ID: cYSZrqDn)
シュン!
と、低音を立てて曲刀が舞う。
その横を大きな触手が切られた人間の傷を押し広げ
生気を吸っていく。
そんな2人の快進撃は、とある人物のバックアップに過ぎない存在に止められた。
そう、ロゼの姉であるレイリーの多数存在するバックアップマシンの一つだ。
「姉さんじゃなさそうだけど、壊したらオリジナルから大目玉・・・よね」
「動かなくすれば良かろう、我輩がどうにかする」
と言った直後、スプリンクラーが故障したのか
大量の水が降ってきた。
その水が、後々私を苦しめるのは
今は知るよしもない。
「いいよ、ウェダが先行ってて」
「いいのか?ならば遠慮なく先へ進むとしよう。ただ、10分経っても追いつかなかった場合は助けに戻り、脱出する」
「いいわよ、5分あれば十分!」
会話を終えるのを何故かコピーが見届けた。
何故?
その疑問で今は頭一杯にならなかった。
しかし、その5分後
息が…苦しい?
「まさか…」
「そのまさか…が恐らく正解、この水はスプリンクラーの故障なんかではない。このフロアを毒ガスで満たすための物よ」
「チィ、最初からそれ狙いだったの?」
「常人なら10秒と持たない毒の中でよくそれだけ耐えたね、その生命力に敬意を表し…最も強力な一撃で葬ってあげる」
「それは光栄よ」
馬鹿が、
毒ガスに気が付いたのは降り始めて30秒後!
如何に生命力が強くても最終的には死ぬような毒ガスならば、
機械の混ざっていない私は息を止めなければ
3分と持たずに死ぬ!
そう、コレは…
「演技…結構上手いでしょ?」
と言い、天井に大穴を空ける!
臭いからして
この毒は恐らく『ルイサイト』
空気より軽かったハズ・・・
「!」
「残念ね、毒ガスは正解だけど…チョット違うのよ」
「マスタードか!」
「そう、始めの20秒はそれを流してたのよ。で、間違って認識させた上でマスタードガスを流せば貴方は爛れて死ぬ」
「異常量のダメージを受けたと思ってたけど道理で…体中が痛いわけだ」