ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

第3話  研究施設 ( No.86 )
日時: 2010/04/12 14:23
名前: 禰音 鏡幻 ◆akHvV3kiSo (ID: cYSZrqDn)

目が覚めた。
私は…僕は…俺は…
何をしていたんだろう?
水槽の中で体に変な器具を繋げられている状態で
誰かが僕を見ている。
誰?私を見ているのは…

「進化の状況は上々、後数年放置した方がいいデータが得られそうだ」

俺を見ている白衣の悪魔がそう告げる。
その悪魔は近くのパソコンを突いて
水槽の水を抜き去った。

「やあ、ハル。眠れたかな?」
「ハ…ル…?」
「ああ、ハルだ。君は…何を見ている?コレか?…パソコンって言うんだ」
「パ…ソコ・・・ン…?」
「そうだ、パソコンだ」

何を話しているのだろう?
そんな事知っているのに無気力に、
記憶が上がってこない、
記憶と意識が別の何かに支配されているような感覚が体中を満たす。

「・・・・・・・・・・・・・・・」
「どうした?急に黙り込んで?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「どうしたんだ?」

黙っているのにはわけがある
記憶を…人格を修復しているから。

「先生、大変です」

助手がパソコンをいじりながら悪魔を呼ぶ。
呼んだ理由は、脳の異常な活動が原因らしい
脳内部の温度が一気に上昇していく。
30…35…40…45…50!
50℃に達すると完全に上昇が止まり、
それが持続される。

「どのような意味が…」
「私が修復されてたのよ」

その言葉の直後、研究員達は肉の塊となった。