ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- 第4話 知的生命体 ( No.9 )
- 日時: 2010/04/01 15:46
- 名前: 禰音 鏡幻 ◆akHvV3kiSo (ID: cYSZrqDn)
ドン!
その戦闘は発砲音から発展した。
発砲したのは相手、
恐らく実験動物の生き残りなんて生易しいものではない。
人間の遺伝子を持った凶暴で危険な知的生命体
と言うのが正しいだろう。
「まさかね、生き残りが居たなんて…」
「オマエモ…仮面ノ奴等ノ仲間カ?」
「いいえ、私は単独よ」
「ソウカ、ナラバイイ。早ク帰レ」
何と聞き取りにくい片言な言葉…
早く帰れと言われて帰る彼女ではない。
攻撃をしてきた敵を見す見す逃がしては
腹の虫も収まらないだろう。
「私を銃で撃った分ね」
ポツリと言い、曲刀を相手に飛ばす。
飛ばした曲刀は…避けられたが、まるでブーメランだ
背後から戻ってきた所で相手の背中に突き刺さった。
「ヴヴァ…コノクソ餓鬼ガ!」
ウソ!
心臓に突き刺さってたはずなのに…
きっと少しズレたのかな?
と思い、接近戦に持ち込む。
相手の動きが風船並みに遅く見える
そんな中で、心臓に曲刀を突き刺した。
…が、倒れない?
「心臓ヲ刺シタト思ッタダロウ?残念ダッタナ、俺ニハ心臓ナド無イ」
今の言葉から推察するに、心臓は無いが代わりに何か
弱点となるコイツ特有の臓器、器官、骨のどれかが存在すると言っているようなものだ。
しかし、そんな事関係ない
「知らないよ…そんなこと」
鈍い相手の首に手刀で一発、強力な攻撃を叩き込んだ。
幸い相手には大きな大頭がある、
首を狙うのなんかは容易いものだ。
「弱点狙ウナンテ…卑怯ダゾ」
「遺言はそれだけかな?……戦ってる間に気が変わった、2分…余命をプレゼントするね」
と言い、施設を後にした。
彼女はバイクにまたがると、また何かのリストを見ながらブツブツ呟いている。
研究施設内では…
「俺ハ…不死身ダ!」
凄まじい勢いで肉体組織を再生させている何かが
『ロゼ』からプレゼントされた余命2分丁度を過ぎたその時、
ドオオオォォォン!
轟音を轟かせ、研究施設が爆発した。
「さて、次は何処に行こうかな?」
と言っていたが、彼女の脳裏には
『仮面の奴等』と言う言葉がへばり付いて離れなかった。