ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: ■◇子供の大冒険◇■ ( No.1 )
日時: 2010/04/01 18:31
名前: のんびり(・ω・`) ◆o4Qp7A0Y2o (ID: D2kA.S6l)

この小説は、純の視点で書いていきます。

第一話 【のんびり王国の危機!】

カーテンのすきまから朝日の光が漏れている。
ここは、のんびり王国。国民はいつものんびり、のらりくらりと暮らしている。

————ここは、純の家。
「行ってきまぁーす!!」
僕、純はランドセルを背負い、家から飛び出した。ふと空を見上げてみる。
ゴゴゴゴゴゴゴ・・・と何かが近づいてくる音がした。辺り一面が影で覆われた。
影の正体は、空に浮かぶ巨大飛行物体だった。あれは飛行機なのか、ジェット機なのか・・・。

その飛行物体は、いきなり爆弾を落としてきた。
「ひぃっ!な、何だよ!!まるで戦争じゃないかっ!」
僕はそう叫ぶと、家の庭にある、桜の木の陰に隠れた。もう4月。桜はきれいに咲いている。だが、桜の背景は火と煙しかなかった。
「な・・・何で爆弾を・・・。今までこんなこと無かったじゃないか。」

そう、今まではこんなことは一度もなかった。
昨日までは、毎日空に飛行物体があり、攻撃などしてこなかったのだ。まさか、あれはのんびり王国を観察していただけということなのか・・・?
僕はそう考えた。考えているうちに、僕の真上に爆弾が落ちてきた。そのとき、僕のお父さんが僕の服の袖を引っ張った。
「何をしているんだ!早くこっちに来なさい!!」
「えっ、あ、うん!」
僕は駆け出した。僕の真後ろからドカァァァァンという、今まで聞いたこともない爆発音が聞こえた。もしあそこでお父さんが僕を助けてくれなかったら、僕は今頃体がバラバラになっていただろう。

「な、何でこんなことになったんだ?」
お父さんは空を見上げながらつぶやいた。僕だって聞きたい。
そして僕たちは避難所へ避難した。そこには、担架に乗っている人もいた。その人は非常に酷い姿となっていた・・・。皮がドロドロになっていて・・・そう、皆が想像するゾンビのような感じだ。
「うえっ、気持ち悪い・・・。」
僕の隣で誰かが言った。僕は隣を見た。いつの間にか太陽がいた。太陽は、僕の友達。
僕は肩を叩かれた。
「いよっ、純。お前もここに避難してきたのか。」
後ろには、また僕の友達の陸がいた。陸はちょっとおっちょこちょいだ。また陸が口を開いた。
「あのさぁ、あの飛行物体、何でいきなり俺たちの国に爆弾なんか落としてくるんだろうな。本当にイライラしてくるよ。」
そりゃあ僕だってこんなことを、僕の生まれた国にやられたら良い気はしない。でも、反抗するぐらいの力なんて、僕たち子供には何もないんだ。
僕の目にそう書いてあったらしく、陸は僕の顔を見て言った。
「なんだよう、純。お前、『僕たち子供では反抗できません』とでも言いたいのか?」
僕は、そんなことを言われて許すタイプじゃあない。
「なんだとっ!じゃあ反抗してみせようじゃないか!!」

でも、そう言った1秒後に後悔した。
「ふーん。じゃあ、俺はお前が一人だと心配だから着いていってやろうじゃないか。なあ、太陽?」
陸は太陽に目配せした。
「う・・・・うん。でも、僕、怖いなぁ・・・。」
今まで黙っていた太陽もようやく口を開いた。
「ようし、そうと決まれば、実行するのみだ!明日、王様に『飛行物体の奴らをやっつけてきます』って言うからな。」
陸はそう言って僕をじーっと見つめた。これは、『お前が言え』という、陸流のサインなんだろうな・・・。


次の日の早朝、僕が寝ているとき、インターホンが鳴った。
僕の家は昨日の爆撃で壊れかけている。誰かが大声で怒鳴ったらたちまち崩れてしまうだろう。さっきのインターホンで屋根が少しずれた気がする。
「う〜、ん・・・・。全く、こんな朝早くから誰だよ。」
僕は目をこすりこすり玄関を開けた。
「えっ!太陽、陸!こんな早くから王様に言いにいくのか!?」
いっきに僕の眠気が覚めた。
「当たり前だろ!?さ、行くぞ!はやく顔洗って、歯磨いて、着替えろ!!」
陸は僕に命令した。
「えぇっ!陸、それじゃあ朝ご飯が入っていなくて可哀想だよう・・・」
太陽がフォローしてくれた。


とにかく、僕が出かける準備ができたのは朝8時だった。

今、僕たちは城の門をくぐっている。
「こりゃあすごく豪華な城でございますねぇ〜。」
陸がいつもより敬語で言った。昨日の爆撃で壊れかけた城も建て直したんだろうな。門は壊れかけている。


中に入ると、丁度王様がいた。王様は、ハルト王だ。
「あっ、これは丁度良いや。ハルト王、俺たち、これから飛行物体の奴らを倒しにいってきます!!」
陸は王様の側に駆けよって言った。

・・・、陸、目上の人へのマナーをちゃんと守れよ・・・。



(続く)