ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: ■◇子供の大冒険◇■ ( No.2 )
- 日時: 2010/04/01 20:53
- 名前: のんびり(・ω・`) ◆o4Qp7A0Y2o (ID: D2kA.S6l)
第一話はちょっと長すぎましたかね・・・。
第二話 【暗闇森への道】
〜あらすじ〜
ある日の朝、謎の飛行物体が爆弾を落としてきた。のんびり王国はパニック状態。しかし純、太陽、陸の3人組が謎の飛行物体に潜入することを決意する。
〜〜〜〜〜〜
ハルト王は、陸から話を聞いて目を見開いた。
「き・・・君たち、本気で言っているのかね?そんな危ない目に遭わせるなんて、とてもじゃないが無理だ。」
陸はそれを聞いてびっくりした様子で立ち止まっている。僕が陸をフォローしようと口を開いた。
「ハルト王、どうすれば、無事還ってくると証明できますか。」
ハルト王は少し考えてから言った。
「うむ・・・。そうだ!農家の人からの苦情なのだが、畑を荒らす『ミュータン』がいて困っているそうだ。ミュータンの群れを一掃してきなさい。」
ミュータン・・・。初めて聞いた名前だ。そういえば、僕が小さい頃、のんびり王国の街の外にはモンスターがうじゃうじゃいるから行ってはいけません。と教えられたっけな・・・。
ミュータンはモンスターの名前だろうと考え、顔を上げると王様が不気味に微笑んでいた。
「ところでハルト王、ミュータンの群れはどこにあるんですか。」
太陽が恐る恐る聞いた。ハルト王は、窓の外を指差した。
「あそこに黒い森があるだろう。その森は『暗闇森』と呼ばれていてな。そこにミュータンの群れが潜んでいるという噂は聞いたことがあるぞ。」
窓の外を見ると、小さく森が見える。あれが暗闇森か・・・。確かに、何故か木の葉が緑ではなく黒く染まっている。
僕たちはハルト王に敬礼して城を出た。城を出た途端、太陽がため息をついた。
「どうしたんだ?」
僕が問いかけると、太陽は疲れきった様子で答えた。
「はぁ・・・。精神的に疲れちゃったよ。モンスターを倒しに行かないとだめなんでしょ?しかも、モンスターの群れだよ。」
確かに、僕だってモンスターの群れは見たことが無い。見たことがあるとすれば、それはゲームだ。「ドラゴンク○スト」ならモンスターと戦うRPGだからやったことがある。まさか、RPGのようなことがリアルに起こるとは、夢にも思わなかった。
期待もあれば、不安もある。勇者はそんな気持ちなんだろうな。
門をくぐり抜けようとすると、どこからか声がした。
「おい・・・。こっちだ。こっちに来い。」
門の外から聞こえるようだ。声につられて僕たちは門の外に出ると辺りをキョロキョロと見回した。
すると、門に寄りかかっている人が手招きをした。真っ黒のコートを着ていて、フードを被っている。フードの陰で顔はよく見えない。
「ハルトとお前の話は聞いたぞ。暗闇森に行くなら、これは必需品だ。取っておけ。」
謎だらけの人だ・・・。謎の人が差し出したのは、懐中電灯だった。
「あっ、ありがとうございます!」
僕たちがお礼を言うと、謎の人はハハハ・・と笑い答えた。
「礼よりも、生きて帰ってこいよ。」
僕たちは今、暗闇森を目指し、のんびり王国を出た。暗闇森への道を歩いているとき、ぼくは無言のまま、地面を見ながら歩いていた。
さっきの、「礼よりも、生きて帰ってこいよ。」という返事・・・。ミュータンはそんなに強いのだろうか。ぼくの頭に不安がよぎる。
そんなとき、陸が声をかけてきてくれた。
「おい、純、どうしたんだ?浮かない顔して。」
でも、今は答える気持ちにはなれない。何だか不安なんだ・・・。顔を上げ、前を見ると暗闇森まであと少しだった。
(続く)