ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 怖い話をしませんか? 参照150突破ですね… ( No.22 )
- 日時: 2010/06/16 17:12
- 名前: 桃井 ◆G5Umpuxr/Y (ID: Gd7LnyXy)
【第十四怪】 「電話」
私がまだ独身の頃、飲んで家に帰ると唐突に名古屋の方に就職した友人を思い出しました。
すでに日付は変わっていましたが、相手も一人暮らし。気兼ね無くダイヤルしました。
コール音を聞くこともなく、相手が出たので驚きました。
電話の向こうで友人は彼も私のところへ電話しようと、受話器を取ったところだと笑いました。
こんな偶然もあるのだなと話は弾みます。
友人はかなりハイなようで、異様な位陽気です。
お互い都合をつけ、一度飲もうと約束し、電話を切りました。
翌日、仕事の都合がついたので、私は友人の職場へ電話しました。
私は友人がバイクの事故で、瀕死の重症であることを教えられました。
事故の時刻は0時過ぎ。
私は取るものも取り合えず、名古屋へ向かいました。
私が電話をした時刻、友人は救急車か病院にいたはずです。
私としゃべった友人が、生身の本人であったはずがありません。
名古屋へ向かいながらも、私は友人は助からないのではと思い涙しておりました。
結局、友人は奇跡的に持ち直しました。
会話が出来るようになったのは、約1ヶ月後でした。
その時言いました。
・・・・・夢を見たと。
自分が、事故で死にかけていると分かっていたのだが、部屋で電話で私と飲む約束をする夢を見た。・・・と。
約束をしたから、死ぬことはないと思っていたと言うのです。
夢じゃない、本当に約束したんだと答えると二人とも、涙が止まらなくなりました。
“電話”と言えば,もうひとつ奇妙な話があります。
やはり友人の家の電話なのですが、時々、通話中に混線したかのようにお婆さんがお経を唱える声が入ります。
この現象が起きると、2〜3分後に回線が切れてしまいます。
この現象は架かって来た時のみ、相手や時間と無関係に月に1度程度起こります。
友人やその家族は慣れたもので、読経が聞こえると、こちらから架け直すと言って、さっさと電話を切ります。
NTTにも解明不能なこの現象は現在も継続中ですが、それほど不便じゃないからと友人は笑っています。