ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 怖い話をしませんか? 参照200突破ですね… ( No.32 )
日時: 2010/06/22 17:29
名前: 桃井 ◆G5Umpuxr/Y (ID: 14pOvIO6)

  【第二十怪】  「花火」

大学生の時、夕方食堂でだべっていたら、誰かが生駒遊園地へ行こうと言い出しました。

夏の生駒は、夜でも遊園地を行っています。

男同士で、車に分乗して生駒へ向かいました。

途中、見晴らしの良い場所で夜景を眺めました。

アベックが多いので、意識して馬鹿騒ぎをしていました。

私は缶コーヒー片手にタバコをふかし、ウンコ座りをしておりました。

その時、背後の空がぱっと明るくなりました。

振り返ると、空一面に大輪の花火が開いていました。

その見事さに、思わず見とれました。

しばらくするとまた、別の花火が上がりました。

しかし、おかしい・・・・・

・・・打ち上げる音がしないのです。

音がないまま、花火の映像のみが夜空を染めます。

私は、友人達を振り返りました。

誰一人、花火を見ようとしません。

夜景を見て騒いでいます。

(・・・・・花火の幽霊・・・?)

ぞっとしない考えが、頭をよぎりました。

私は頭をうなだれ、空を視界に入れないようにしました。

あの花火を見ていると、何かとんでもないことになる気がしました。

友人が私の様子を心配して

「どうした?」

と声をかけてくれました。

「ごめん、何か気分が悪い・・・・・」

・・・と答えました。

嘘ではありません。

悪寒を感じていたのです。

帰ってから三日間、高熱で寝込みました。

・・・しかし、あの花火は何だったんでしょうか・・・