ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 〜シャットダウン〜オリキャラ募集中♪ ( No.17 )
- 日時: 2010/04/10 17:46
- 名前: 遊太 (ID: EWcIN/Ij)
Episode1-8 『犯罪者となった善人達』
村田学園高等学校 校長室
遠藤と石田が、逃げた本城と河原を追いかけて数分。
パトカーのサイレンが遠くから聞こえ始めた。
千種、秀一、鏡矢、七海は呆然とソファーに座っている。
その横には、校長が顔を怪我したまま倒れていた。
「・・・君たち、逃げた方がいい・・・。」
「は?」
秀一が校長に向かって驚いた表情を見せる。
「根拠は?あいつは、確か現在逃亡犯の・・・」
鏡矢はその時、口の動きが止まり校長の顔を見た。
鏡矢はこの時気付いたのだ。校長と本城が親子ということを。
「慶介の頭の良さは未知数だ。小学生のころで高校の勉強ができたぐらいだ。今回、あの子が冗談を言うとは思えない。一旦、逃げなさい!!」
校長はその場にいる4人に叫んだ。
すると、七海が首を横に振りソファーから立ち上がった。
「警察に言えば大丈夫よ。」
「あいつの仲間は色々なところにいる。恐らく、警察にもいるだろう。それに、さっき息子と一緒にいた河原隼人。あの男は元環境庁の役人だ。」
「か、環境庁!?」
鏡矢は思わず立ち上がり、千種の顔を見た。
千種も立ち上がり、窓の外を見る。
「・・・・俺行くよ。父さんの仇を討つ。」
千種はそう言うと、窓から外に出た。
秀一は一瞬、千種のことを追いかけるの躊躇った。
「俺らは幼稚園から一緒だ。俺も行く。」
秀一は窓を越え、千種に笑顔で話しかけた。
取り残された鏡矢と七海、校長はお互い顔を見合わせる。
「俺は行こうかな。色々調べたいものもあるし、学校もつまらないし・・・」
鏡矢の言葉に、七海が耳をピクリと動かす。
「・・・学校休めれば、アイドルの仕事をも休めるよね!?」
七海はなぜか上機嫌になり、急いで窓から外に出た。
鏡矢は七海が行くのを見て自分も窓に向かった。
その時だった。
「ちょっと待ってくれ。私も逃げる。」
校長はどうにか立ち上がり、窓まで歩いてきた。
「手を貸しましょうか?」
「頼むよ。君名前は?」
「連堂鏡矢です、オカルト部部長。」
鏡矢は校長を助け、窓から外に出るとそのまま近い門に向かった。
**********
本城、河原ペアの現在地
2人は石田と遠藤からどうにか逃げ、学校の隣に流れる川近くに身を潜めていた。
「おい!こんなところじゃばれるぞ!!」
「大丈夫だ。このままダウンタウンに行く。」
本城の言葉に河原は首を傾げ、そのまま後をついていく。
茂みの中を進んでいると、本城はしゃがみ込んで足もとの土を払った。
すると、なぜか謎のマンホールが姿を現した。
「なんでこんなところに・・・・」
「この下に、ゲーム世界の様な場所がある。とりあえず行くぞ。」
本城はマンホールに入り、続けて河原も中に入って行った。
そして、マンホールが音をたてながら閉まった。
**********
遠藤、石田ペアの現在地
2人は乗ってきた車に乗りこみ、署へと戻っていた。
「くそっ!!あいつはいつもいつも・・・・」
遠藤は目の前にいた本城を逃がしたことにかなり悔しがっている。
石田が現状を報告しようと無線に手を伸ばしたその時だった。
『全ての捜査員に告ぐ。村田学園中等学校内で9人の犯罪者が目撃された』
無線から聞こえる声に2人は呆然とした。
『現在指名手配の本城慶介並びに元気象庁役人の河原隼人』
遠藤は無線の言葉で本城の言っていた言葉を思い出す。
石田は助手席で口を開けポカンとしていた。
『その他、生徒4人。学校長の本城正信。』
「な、なんで!?」
石田は車を脇に止め、無線に耳を傾ける。
『東京県警に務める遠藤治、石田悠2名も現在を持ち容疑者として手配する。』
「は!?」
2人は驚きを隠せなかった。
本城の言葉通りだ。あいつは、一体なにを・・・・
石田は遠藤の顔を見て、手足がガクガク震えていた。
「じ、事情を話せば・・・・」
「今は無理だろ。考えてみろ、この情報の伝わりの速さ。もしかしたら、内部に本城の仲間がいるかもしれない。」
「な、内部って、警察にですか?」
遠藤は頷き、カーナビの電源を入れた。
「署には戻れないし、家族の場所にも戻れないだろ。あいつを捕まえない限りはな。」
遠藤はため息をつきながら窓の外を見た。
石田は頭を抱え、嘘だと何回もつぶやく。
「これからどうするんですか?」
「とりあえず、子供たち4人と校長を助ける。車を出せ。」
「はーい・・・・」
石田は元気のない返事で、渋々エンジンをかけた。