ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 〜シャットダウン〜オリキャラ募集第2弾♪ ( No.29 )
日時: 2010/04/24 19:32
名前: 遊太 (ID: EWcIN/Ij)

Episode2-4 『始動』

逃亡生活4日後

千種は2日、何もない自宅で過ごして計画を練った。
今日は土曜日で、部活生以外は出席していない。
それのおかげで職員も少ないし、水泳部顧問の平川と接触しやすい。
「行くか!!」
千種は気合を入れると、起き上がって村田学園へと目指した。

**********

村田学園 正門前

グラウンドから、野球部や陸上部の声が聞こえてくる。
壁に沿って止まっている黒色のバンには数人の人間が乗っていた。
「準備はいいか?」
銃を腰にしまうトゥーダッシュは全員に聞いた。
眼鏡をかけ、パソコンをしているルートは隣に座るアルファを見る。
アルファは無言でスナイパーライフルを扱っている。
「アルファ先輩、常にライフル触ってますね・・・」
「問題があるか?」
「いや・・・」
ルートは苦笑いをしながらトゥーダッシュを見る。
トゥーダッシュはスーツの胸ポケットから手帳を出して話し始めた。
「パーミュテーションは数時間後に到着する。ルートは石油会社にハッキング。アルファは、宮崎玲奈が先に屋上で下準備をしているから合流しろ。ベータ、ガンマ、ログは俺と一緒に一階を制圧する。」
トゥーダッシュは一通り説明すると、ルートの方を見た。
ルートは眉をピクリと動かし、キーボードを音をたてて使う。
「95%の確率でFBIが来ることはありえません。後、先ほどベクトルから傘橋千種がこちらに向かっていると情報が。」
「気味が悪いほど計画通りだな。このまま成功させるぞ!!」

「おう!!」

全員が声をそろえて言うと、ルートを残して全員は学園内に侵入した。

**********

ある者は愛する者を追うため______

ある者は部下の復讐のため______

またある者は、ただ逃げ______

そして、一人の男は欲のために動いていた_____


同時刻 東京都地下 ダウンタウン最下層

天井にぶら下がる電球が洞窟状の廊下を不気味に照らしていた。
本城と河原はとある場所目指して歩いていた。
「おい、本当に道あってんのか?」
「ダウンタウンに道などない。とりあえず行くぞ。」
ホテルから出て以来、本城の態度がどこか変化していた。
河原はその理由を知っているが、口に出せば本城は何を仕出かすか分からない。
河原の悩みは、本城の考えていることが分からないこと。
IQ200の人間は、普段何を考えているのやらか・・・・
河原は本城の顔を見る。
とりあえず、行き先を聞こうと口を開いた。
「行き先どこだよ?」
「・・・学園だ。」
「はぁ!?」
河原は本城の言葉に足を止めた。
「なんで!?行けば警察がいるかもしれねぇだろ!?」
「心配するな。ただ、ある物を取りに行くだけだ。親父の・・・校長室に親父の私用物がある金庫がある。覚えてるか?」
本城の質問に、河原は事件当日のことを思い出した。

‘デスクの隣にある大きな金庫’

確かにあったような気が・・・
「でもなんで?」
疑問点はそこだ。危険を冒してまで取りいく物なのかどうかだ。
「金庫の中に、父さんのキャッシュカードや現金、とにかくこれから必要なものが入っている。」
河原はお金という言葉に目の色を変えた。
その時だった。

バン!!

突如、本城が河原の右足を拳銃で1発撃った。
「ぎ、ぎゃぁぁぁぁ!!!!!!」
河原はその場に倒れ込み、本城を見る。
本城の顔は電球の光が反射して見えない。
「俺の所有する呪いの眼、お前の寿命はあと少しだ。」
本城の言葉に、河原は必死に後ろに下がる。
「な、なんのつもり・・・だ・・・。やめろよ・・・友達だったろ・・・・」
河原は泣きながら本城に説得する。
しかし、本城は拳銃を河原に向けて最後に言った。
「お前と行動すると目障りだ。今までありがとな。」
「お、おい!!やめ・・・」

バン!!バン!!

乾いた発砲音が、暗い通路に響き渡る。
河原の額に一発、心臓に一発銃弾は撃ちこまれた。
河原はその場に倒れ、力ない目で何もない天井を見つめている。
本城は腰に拳銃を終うと、河原の顔を見て不気味に笑った。
「じゃあな河原。お前は、一緒誰にも見つかることなく朽ちるだろう・・・。」
そう言うと、本城は闇の中へと消え去った。

**********

村田学園 屋上 

水タンクの上に座っている宮崎玲奈はグラウンドを見下ろしていた。
「・・・・面倒だな。」
玲奈がつぶやいていると、後ろからライフルを抱えてたアルファが現れた。
「準備はできたのか?」
「ずいぶん前に終わってるよ。遅いんだよね〜ぇ、トゥーダッシュ先輩はさ!!」
アルファは玲奈の愚痴を聞きながら、スナイパーライフルでグラウンドを見下ろした。
グラウンドは野球部や陸上部が練習をしている。
「インバース、指示が来たらお前は次の指令に従えと言われている。」
「誰の命令?」
「ベータだ。」
アルファの答えに玲奈は渋々了解する。
玲奈は弱気な返事をすると、立ち上がりアルファの隣に来る。
「・・・・パーミュテーションはいつ来るの?」
「もう来るはずだ。お前は、ベクトルを見張っておけ。奴はまだ信用できないからな。」
アルファの言葉に玲奈は頷くと、その場を後にした。
一人残されたアルファは、グラウンドから外に止まってある黒いバンをライフル越しで見る。
バンの中にはパソコンを使っているルートだけがいるだけ。
「・・・・命令は絶対だ」
アルファはそう言うと、スナイパーライフルの引き金に手を置いた。