ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 〜シャットダウン〜オリキャラ募集第2弾♪ ( No.31 )
- 日時: 2010/04/24 20:40
- 名前: 遊太 (ID: EWcIN/Ij)
Episode2-5 『村田学園襲撃 前編』
「はぁ〜・・・・」
職員室の2年職員席に座っている平川小太郎はため息をつきながら書類を片付けていた。
平川は学園内では一番新人職員であり、今年が2年目になる。
しかし、担当のクラスで逃亡犯となった生徒が現れたおかげで平川自身も危ない状況だ。
「傘橋千種に・・・山本秀一か・・・・。」
「平川先生、大丈夫ですか?」
平川の後ろから、吹奏楽部の顧問であり2−4担任の原田真由が声をかけてきた。
「はい・・・それより、逃げてる4人の生徒は大丈夫でしょうかね?校長に刑事さん一人が亡くなってるし・・・・」
「私も同感です。大丈夫かな・・・・」
2人は同時にため息をついた。
その瞬間だった。
「全員動くなぁぁぁぁぁぁ!!」
職員室の扉が大きな音を上げて開き、ガンマ、ベータ、ログ、トゥーダッシュが入り込む。
「きゃ!!」
原田は悲鳴をあげてガンマと目が合う。
「黙れ!!殺すぞ!!」
平川は素早く机の下に隠れ、どうにかばれていないが、原田は平川の前で棒立ち状態だ。
「どうする?殺すか?」
ガンマは腰から拳銃を取り出して、トゥーダッシュに聞く。
「好きにしろ。最後は学園ごと消すのだからな。」
ガンマはその言葉を聞くと、拳銃を原田に向けた。
バン!!バン!!
2発の発砲音とともに、原田の体が後ろに倒れる。
原田の心臓に弾が2発貫き、傷口から大量に血が溢れだす。
平川は原田の死んでゆく姿を見て、口を押さえて嘔吐を防ぐ。
「そんな・・・・」
平川は原田から視線をガンマに移した。
ガンマやほかの連中は平川の存在に気付いていない。
「よし。俺とログで家庭課室に行く。ベータとガンマはここで待機だ。」
トゥーダッシュはそう言うと、ログとともに家庭課室を目指して行った。
**********
千種は村田学園の正門の前に来ていた。
周りに注意しながら門を潜り抜けると、すばやく2年生の昇降口に入り上靴に履き替える。
「先生どこだろ?」
千種は壁に隠れ、廊下を覗う。
すると、職員室からちょうどトゥーダッシュとログが出てきたところだった。
「誰だ・・・あいつら?ん?」
千種はログが手に持っている拳銃を見て動きが止まる。
それと同時に嫌な予感がした。
「な、なんで・・・・」
千種は2人を目で追う。
トゥーダッシュ達は千種とは反対方向の廊下を歩き、階段を上って行った。
「俺も行こう。」
千種は近くにある階段を上がり、2人を追いかけて行った。
**********
場所は変わり、本城正信が殺されたサービスエリア付近
サービスエリアの裏から完全な田舎町に出た鏡矢と七海は足を止めると息を整えた。
「ね、ねえ。校長先生・・・うそでしょ・・・・」
七海は泣きながら鏡矢に聞いた。
「殺されたんだ。早く逃げないと。」
「無理だよ・・・喉乾いたし・・・・。私、もう逃げれない・・・」
七海は近くにあったバス停のベンチに座りこむ。
鏡矢は辺りを見渡して頭を抱えた。
ここは山奥らしく、サービスエリアは神奈川と東京の県境にあるものであった。
周りには田んぼと、木造建築の家が広がっている。
「金はないし・・・持ち物は・・・」
鏡矢は自分の持っているファイルを見た。
しかし、今の状況でこんなファイルは意味がない。
ワンワン!!!
七海は下げていた頭を上げ、鏡矢は先ほど歩いた道の向こうを見た。
「警察犬だ!!追いかけてきたんだ・・・逃げるぞ!!」
「そ、そんなぁ〜ぁ・・・・」
鏡矢は七海の手を握り、その場から逃げ出した。
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場所は戻り、村田学園 グラウンド
グラウンドの隅にあるマンホールが勝手に開いて本城が出てきた。
「着いた。」
本城はマンホールのふたを閉めると、村田学園の校舎を全体的に見渡す。
「校長室は・・・あれか・・・ん?」
本城は屋上に一瞬だけ謎の光が発光しているのが見えた。
その光の正体は、屋上にいるアルファのライフルに反射した太陽光だ。
しかし、本城はそんなことを知らない。
「なんだ?」
本城は不審に思い、校長室から屋上へと目標を変えた。