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Re: 〜シャットダウン〜キャスト&2-6更新♪ ( No.33 )
日時: 2010/04/25 16:21
名前: 遊太 (ID: EWcIN/Ij)

「計画変更・・・全員、村田学園から退去させろ。」
学園の外に止まっているバンの中で待機しているルート。
ルートのパソコンに設置されているスピーカーから男の声で命令が下される。
「で、でも・・・ガンマ先輩は・・・」
「命令は絶対だ。ガンマも学園ごと消せ。」


Episode2-7 『村田学園襲撃 後編』

学園3階 廊下

廊下を走る千種、秀一、平川の3人はガンマから逃げていた。
「止まれ!!このくそったれどもがぁぁぁぁ!!!」
ガンマは銃を発砲しながら追いかけるが、一発も当たっていない。
「あそこに駆け込んで!!」
平川は3階のフロアの一番奥にある音楽室に指をさす。
3人は音楽室内を見渡しながら入ると、秀一がある提案を出した。
「あいつが来た瞬間に、これで奴を気絶させよう。」
秀一はドアの前にトランペットが飾られた大きな棚をドアの前に置く。
「ドアが開いたら一気に押すぞ!!」
「分かった!!」
3人は棚の後ろに隠れ、ガンマが入ってくるのを待つ。
そして、その瞬間が来た。

ガラララ

「今だ!!」

「なっ!!!!」

ガンマは目の前から倒れてくる棚に驚き、そのまま棚の下敷きとなった。
「よっしゃ!!」
3人は棚の下敷きとなったガンマをかわし、一階へと一気に戻る。
ガンマは棚を退かすと、拳銃を投げ捨てて、腰から手榴弾を両手に持つ。
ピンを抜くと、そのまま奇声を上げながら千種たちを追いかける。
「俺を誰だと思ってる!!!!組織の特別工作員!!!松本亮介だぞぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」
ガンマは1階にわずか5秒足らずで着いた。
3人は1年生昇降口を抜け、すでに外だ。
「なめるなぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」
ガンマが手榴弾から手を離した瞬間!!


ボォォォォォォォォォン!!!!!!!!!!


1階と2階が大爆発を起こし、3階と4階は石油のせいで火の海となる。
窓ガラスが音を上げてすべて割れ、校舎に大きな亀裂が入る。
「い、急いで逃げよう!!」
3人は一番近い、東門めがけて走って行った。

**********

村田学園 屋上

屋上の下の階である4階が火の海にあるにも関わらず、アルファはライフルでグラウンドを走る3人を捕えていた。
「・・・傘橋千種に・・・友人と職員か・・・・」
アルファの持つライフルのスコープには、3人の姿が鮮明に見えている。
「ターゲット、ロックオン・・・ショット!!!」
アルファは掛け声とともに、目標めがけて引き金を引いた。

**********

村田学園外

黒いバンの扉が開き、トゥーダッシュが入り込む。
中には気絶しているベータとログ、パーミュテーションがコーヒーを飲んでいる。
ルートはパソコンを扱いながら作業を行っていた。
「爆発したぞ。」
「あぁ。アルファと宮崎玲奈は各自退却完了。ガンマは死亡した。」
パーミュテーションの言葉に、トゥーダッシュはそこまで驚かない。
ルートはため息をつきながら、2人に言った。
「シグマ大佐から、今すぐ戻れと命令が・・・・。後、愛本総理がかなりお怒りだと・・・」
ルートの言葉に、パーミュテーションは頭を抱える。
「全員出席か?」
「いや、パーミュテーション先輩だけ・・・」
パーミュテーションはその言葉を聞いてさらに頭を抱え込む。
総理が怒っているのはたぶん、一連の事件が不自然だからだ。
Escape nine'sの2人が銃殺され、校舎が壊滅。
動いているFBIはすでに、怪しい点に気付いているのに違いない。
「なんてことだ・・・・」
パーミュテーションは顔を上げると、車を出すように言った。
そして、パーミュテーション達はその場を後にし、総理のもとへと向かった。
だが、パーミュテーションは気付いていなかった。
最大の過ちを犯したことを・・・・

**********

グラウンド

「あぁ!!!」
グラウンドに横たわる一人の人間。
それは、千種の隣を走っていた平川だった。
アルファの狙いは大きくずれてしまい、平川の腹部に弾丸は命中していた。
「先生!!そんな・・・・」
「傘橋・・・・山本・・・・がんば・・・れ・・よ・・・・」
平川は力いっぱい千種の手を握りしめていたが、その手はスルリと地面に落ちた。
千種と秀一はその場にたたずみ、ただ呆然と死んだ平川を見つめる。
「・・・・先生。」
秀一はその場にしゃがみ込み、涙を流した。
「嘘だ・・・・そんな・・・いやだぁぁぁぁぁ!!!!!!」
千種は泣き叫び、平川に抱きつく。
その時、秀一はあることに気付いた。
「お、おい!!千種!!」
千種は秀一の指さす方向を見る。
遠くの方に、部活中の野球部と陸上部が2人の顔を見て唖然としていた。
「に、逃げないと!!」
「でも・・・先生は・・・・・・」
「来い!!」
秀一は千種を引っ張り、平川から突き放す。
こうして、平川小太郎は燃え盛る村田学園とともに命を落としたのだった。

**********

村田学園 西門

本城は片手に茶封筒を持って、西門から外に出た。
「・・・・まったく、危ないな・・・・」
本城は振り返り、燃え盛る学園を見つめる。
「父さん、あんたは完全に終わりだ。」
本城はそう言うと、その場から姿を消した。

**********

村田学園 グラウンド ダウンタウン行き隠しマンホール

燃え盛る校舎からかなり離れたグラウンドの隅に大やけどを負ったガンマが倒れていた。
ガンマは約数百メートル吹き飛ばされ、奇跡的に生きていた。
「うっ・・・・あ・・・・・・・・」
ガンマの頭髪はほとんど焼け落ち、唯一無傷の部分は足だけであった。
両手は黒くなるほどに焼け、両目からは血が出ている。
「この・・・復讐・・・は・・・・・かなら・・・・・す・・・・・」
ガンマは足に力をいれて立ち上がると、近くにあったマンホールをどうにかして開けた。
「傘橋・・・・千種・・・・・」
ガンマは最後に千種の名前をつぶやくと、マンホールの中へと消えて行った。