ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 〜シャットダウン〜Episode2完結間近♪ ( No.34 )
- 日時: 2010/04/26 18:12
- 名前: 遊太 (ID: EWcIN/Ij)
Episode2-8 『籠の中の鳥』
FBI捜査本部 日本支部
東京県警に設置されている捜査本部に、神永率いる日本FBIが大勢いた。
「学園の件は後だ!!逃亡犯の傘橋と山本を探せ!!まだ近くにいるはずだ!!」
神永は資料を片手に捜査員に叫ぶ。
「神永捜査官、逃亡中の本城を目撃したと学園近隣の住民が・・・」
「なに!?よし・・・、本城は地元の警察に任せろ!!」
神永は壁に設置されているボードに貼られている9人の逃亡犯の写真を見る。
石田、校長には赤いマーカーですでにバツ印がつけられていた。
「残りは、河原隼人に連堂鏡矢、前田七海に遠藤治。」
「捜査官!!逃亡犯の遠藤が神奈川と東京の県境にあるコンビニの防犯カメラに映っているようです!!」
神永はその言葉を聞いてニヤリと笑う。
「どうやら、鳥たちが籠の中に再び入ろうとしているようだな・・・・」
神永は千種、秀一、遠藤、本城の写真にバツ印をつけた。
「東京を隔離しろ!!一般車道、新幹線、電車、地下鉄、とにかくすべての道を封鎖だ!!」
「了解!!」
捜査員たちが神永の言葉で慌ただしく動く。
神永は残りの鏡矢と七海、河原の写真の見る。
「後は3人か。意外に早く終わりそうだな・・・」
神永はそう言うと、その場を後にした。
**********
一方、神奈川と東京の県境
道なき道を歩いている鏡矢と七海は、とうとう東京に突入した。
2人は高速道路を沿って隠れながら進んでいた。
「よし・・・東京だ。」
「やった〜ぁ・・・・」
七海は東京と表示された看板を見ると、ついその場にしゃがみ込んでしまった。
「てかさ、さっきからパトカーの量多くない?」
七海のその言葉に、鏡矢も薄々感づいていた。
先ほどからパトカーがサイレンを鳴らしながら高速道路を東京側に向かって走っていく。
「急いで東京に入るぞ。千種やほかの奴らも東京にいるはずだ!!」
鏡矢はそう言うと、七海を引っ張り東京に足を踏み入れた。
**********
東京 東京高速道路246号線
遠藤は高速を降り、近くのマンションの陰にいた。
先ほどいたコンビニに、次から次へと警察が来ている。
「失敗したな・・・。とりあえず、学園で何かあったらしいな・・・」
遠藤はコンビニに設置されていた村田学園の様子を見ていた。
現在も学園は炎上中。かなりの大規模な火事のようだ。
「学園はもう少しだ・・・。このまま逃げながら行こう。」
遠藤はマンションから辺りを覗うと、その場から走り去った。
**********
村田学園から5メートル
千種と秀一は、学園のすぐ外に建てられてあるアパート街に身を潜めていた。
「はあはあ・・・・。そんな、平川先生が・・・・」
千種は涙をこらえ、平川の死を悔む。
千種と秀一はまだ中学2年生だ。このような状況はあまりにもひどすぎる。
「一体、これからどうすればいいんだよ・・・」
秀一は頭を下げ、完全に絶望状態の中に入っていた。
見つかるのは時間の問題。
パトカーのサイレン数が時間が経つにつれて多くなっている。
恐らく、学園の周りには大量の警察がいるだろう。
「もう、逃げられないよ・・・・終わりだ・・・・」
千種は空を見上げ、今までのことを振り返る。
何が原因だった・・・?
呪いの眼について校長室に行ったのが運のつきだ。
さらに、関係のない刑事や生徒までもが巻き込まれた。
原因は・・・本城慶介・・・・
千種は拳を握りしめて本城への怒りを露わにする。
最愛の父を殺し、無実の人間7人の人生を無茶苦茶にした。
あいつは必ず殺す・・・
そうだ、殺せばいいんだ。
「殺せばいい。死ねばいい・・・。死ね、死ね、死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね!!!!」
千種の怒りは段々と大きくなる。
秀一は千種の姿を見て呆然としていた。
「お、おい・・・千種・・・・」
「父への復讐だ。本城は必ず殺す。」
「え?」
秀一は千種の両目を見た瞬間、動きが止まった。
両目が_______赤い______
それは充血ではなく、完全な燃え盛るような紅蓮色に変化していた。
「千種・・・なんで・・・・」
秀一は千種の姿を見て泣き出す。そして、恐怖と絶望感に押されてその場から逃げて行った。
しかし、千種は一番の親友が逃げていくのに見向きもしない。
この時、千種は完全に生まれ変わった。
そう、復讐へと染まってしまった━━━━━━━