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Re: 〜シャットダウン〜Look the life ( No.5 )
日時: 2010/04/06 14:09
名前: 遊太 (ID: EWcIN/Ij)

Episode1-2 『寿命が見える呪われた目』

千種の自宅→→→村田学園

完全な遅刻をしてしまった千種は開き直り、歩道をトボトボと歩いていた。
すれ違う人は不自然な目で千種をチラ見していく。
「マジやばいなぁ〜」
千種は大通りに出ると、ちょうど信号が赤になる。
信号を渡れば学園は目の前なのに。
「運悪いだろ・・・」
千種はつぶやくと、大通りに架かっている歩道橋に足を進めた。
「今日1時間目なんだったけな〜ぁ。」
千種が独り言を言っているその時だった。

ドン!!

前から来た男が千種にぶつかる。
千種はバランスを崩してその場に転倒。
男は帽子を深くかぶり、今の時期に似合わない足まであるコートを着ている。
「・・・ちっ!」
男は謝りもせずに舌打ちをすると、足早にその場から離れて行った。
「んだよ!!」
千種は叫び散らすと渋々立ち上がり、落ちた鞄を拾う。
そして、体勢を戻した時に異変に気付いた。

「え?」

千種の前から歩いてくるサラリーマン風の男の頭上に数字が浮いている。
千種は目を擦り、もう一度男の頭上を見た。
「000045・・・?」
サラリーマン風の男は千種を変な目で見るとそのまま通り過ぎた。
千種は男の後ろ姿を目で追う。
数字の数がどんどん減っていく。
「10・・・8・・・5・・・・・2・・・・0」

「あっ!!」

千種は思わず声を上げた。
数字が0になった途端、男は足を滑らせ階段から落ちてしまった。
男はそのまま転げ落ち、一番下で止まると動きが止まった。
周りにいた人々が慌てて男に近づいている。
しかし、千種には別の物が見えていた。
男の頭上に、‘Shut dowm’と赤い文字が浮いている。
「な、何だこれ!?」
千種は気味悪くなり、学園に急いだ。

**********

千種がその場を離れた数分後

一台のパトカーと救急車が転落現場に着いた。
パトカーから眼鏡をかけた男とスーツが似合う男が出てきた。
「遠藤刑事、事故でしょこれ。」
「見た目で判断するな、石田。」
今年で勤務10年の遠藤治は相棒の石田悠に言った。
「すいません。」
遠藤は近くで様子を覗っている主婦に声をかけた。
「は、はい?」
「あなたが第1発見者?彼はどこから落ちた?」
遠藤が聞くと、主婦は歩道橋の一番上を指さす。
「ありがとう。」
遠藤は石田を連れて歩道橋の上に向かう。
「ほら。何もないじゃないすか。事故っすよ。」
「待て。これを見ろ。」
遠藤は階段の一番上の段を人差し指で触る。
すると、遠藤の指先に謎の液体が付着した。
液体の色は黒色。
石田は屈みこみ、液体をじっくりと見る。
「なんすかね?これ・・・」
「鑑識に言っとけ。」

「あの・・・」

遠藤と石田が話していると、一人の男が2人の前に現れた。
「何ですか?」
「遠藤刑事・・・ですよね?」
「・・・そうだが。」
遠藤は男の自分を見る目が気になる。
石田も男の不審さに気付いていた。
「・・・・本城の命令だ。死ね!!」
男は遠藤に飛びかかり、そのまま2人は揉み合いとなる。
「な!!あいつの仲間か!?」
「くたばれぇ!!」
男は遠藤の首に手を伸ばす。
その時だった。

「うらぁ!!」

石田が男めがけて顔面にパンチを喰らわす。
「うごっ!!」
男は遠藤から離れ、そのまま階段を下りて逃げていく。
「追え!!逃がすな!!」
遠藤は石田に怒鳴ると、石田は急いで男を追いかけて行った。
遠藤は2人の姿を見ると疑問を感じた。
「何を考えている・・・本城慶介・・・」