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Re: 〜シャットダウン〜Look the life 3話うp♪ ( No.7 )
日時: 2010/04/06 20:15
名前: 遊太 (ID: EWcIN/Ij)

Episode1-4 『呪われた目を持つ3人の奇人』

村田学園 オカルト部部室内

部室には現在、千種と秀一と鏡矢がいる。
千種は今日の出来事を細かく鏡矢に話した。
鏡矢も秀一同様に真剣に聞いてくれている。
「では、今も俺の頭上やお前の友達の頭上にも数字が浮いているんだな。」
「あ、あぁ。」
千種は2人の頭上を見た。確かに、映像の様な数字が浮いてある。
「・・・似てるな。」
「何に?」
鏡矢は立ち上がり、部室に置いてある本棚に向かうと紫色のファイルを取り出した。
「君の目はおそらく、‘呪いの眼’だろ。」
「の、呪いの眼?」
千種はその言葉の響きに恐怖を感じる。
「今から10年前、一人の男性が謎の自殺を遂げた。遺書には、ほかの人には見えない恐ろしいものが見えたと書いてあったが、警察は幻覚と処理した。」
鏡矢は次のページを開き、新聞の切り抜きに指をさす。
「その2年後、今から8年前に再び似たような事件が起きた。一人の女性が突然、‘呪われた数字が’と発狂しながらホームに落ちて死亡。」
千種はページが進むにつれて手が震え始めた。
いつの間にか秀一もファイルを見て愕然としていた。
ページをめくっていると、鏡矢の手の動きが止まった。
2人が鏡矢の顔を見ると、鏡矢は千種の顔を見て言った。
「次のページに、これからお前に関わるだろうことが書かれている。それでも見るか?」
「・・・?」
鏡矢の言葉がいまいち理解できない千種は一応頷いた。
鏡矢は承諾を得てページを開き、読み上げた。
「今から1年前。思い出したくないだろうが、君の父親が銀行で勤めていた時に強盗が入り殺されただろう。その犯人の父親は、お前と同じ目を持っている。」
鏡矢の言葉で千種の脳裏に父親、省吾の笑顔が思い浮かぶ。
その時、秀一が2人の話を遮った。
「待てよ!!なんでお前、そんなこと知ってんだ?」
「俺の父親は総務省の役人でな、気になって資料をもらったんだ。お前にも関わってることだったし、まさかこの資料を使う日が来るとは思わなかった。」
鏡矢は資料を取り出し、千種に渡した。
「どうするかは後はお前次第だ。俺ができるのはここまで。それじゃあ、俺は用事があるから帰るわ。」
鏡矢はそう言うと、鞄を持って、引き出しにしまっていた封筒を入れて部室を出て行った。
「俺らも行こう。」
秀一は千種にそう言うと、2人はオカルト部部室を退室した。

***********

パトカーに乗って署に戻る遠藤と助手席に座る石田。
結局遠藤を襲った男は逃してしまい、そのまま署に戻ることにした。
「石田、本城の交友関係と家族、とにかくあいつの関係している人物をすべて調べておけ。」
「分かりました。ほかは?」
「・・・・後は俺がやる。お前は署に戻って調べた物をデスクに置いといてくれ。」
石田はコクリとうなづく。
この時、遠藤は何かを感じ取っていた。
本城は何かを企んでいる。なぜ、俺を襲わせた。
「・・・・・まさか!?」
遠藤は車を脇に突然止めた。
石田は驚いて遠藤を見る。
「な、なんすか?」
「車を調べろ!!あの騒動の間に奴の仲間が車に盗聴器か何かを仕掛けたかもしれん!!」
石田は遠藤の言葉を聞くと、すぐさま車の周りを調べさせた。
「車内はないだろ。あの騒動で・・・・」
「遠藤刑事。車に仕掛けられたとは限らないんじゃ・・・」
石田は遠藤の服を見た。
遠藤は服のポケットを探り、ズボンのポケットに手を伸ばした時だった。

‘くしゃ’

ポケットの中身を取り出すと、見慣れない紙が入っていた。
「・・・これは。」
紙を開くと、ペンで本城からのメッセージが書かれていた。


「これ以上詮索するな。俺のことをあきらめなければ、村田学園中等学校の生徒を殺す。」


遠藤は読み終えると、紙をくしゃくしゃに丸めて投げ捨てた。
「署に戻るぞ。」
遠藤と石田はパトカーに戻ると、署を目指して走り始めた。